印象に残ったのは『アンラッキーデイ~江口の不幸な1日~』
私はミステリー好きなのですが、それよりも“チームもの”が大好きです!!
天才的な人が、1人でパパパッと物事を片付けていくのを見るよりも、起こったことに対していろんな人が、力を合わせて解決してゆく姿を見るのが好きなのです。
連携プレーとか、1人じゃできませんもんね。
それぞれの人が力を発揮して、何かを解決できたときの達成感といったら…自分は全然関わって無くても、見ていて泣けてきます。
ミステリーが読みたくて、コミックシーモアで休日にハマってしまったマンガ『コンシェルジュ 江口鉄平の事件簿』(大政喜美子著・LGAコミックス)。
今回は第3巻の中で印象に残った『アンラッキーデイ~江口の不幸な1日~』のネタバレ感想を書きます。
苦手な方は、ご注意ください。
『コンシェルジュ 江口鉄平の事件簿』第3巻より『アンラッキーデイ~江口の不幸な1日~』のざっくりしたあらすじ
江口鉄平の勤める・グランドパークホテルに、1人の女性客がやって来る。
山下美咲と名乗る彼女は、チェックインから終始ホテルマンたちに、無理難題をふっかけていた。
フロントでレストランの急な予約を入れて、予約が取れたと知るとキャンセル。
ベルボーイがチップを受け取るまで、帰さない…など。
無理だとわかった上での、強引な依頼を江口は上手く切り返した。
鮮やかな手並みに感心する山下は、どうやら江口のことを前から知っているらしい。
山下に直接「あなたは私を、お試しになっていらっしゃいませんか?」と、尋ねる江口。
しかし答えてもらえるハズもなく、はぐらかされてしまう。
今後の対応をどうするべきか考えていると、1人の男が声をかけてくる。
山下の態度があまりに酷いので、江口に同情したのだ。
どこか怒りを含む男の物言いに、江口は同業者のニオイを嗅ぎとる。
山下が、宿泊棟で襲われた。
追い越しざまに、後頭部を殴られたという。
警察へ届けることを提案する江口に、山下は「狙われているのは、自分1人だから心配ない」と告げる。
山下について、何か情報はないかと他ホテルの友人に尋ねる、江口。
すると『ホテルマガジン』という雑誌に、辛口のコラムを書いている記者だとわかる。
こっそりお客として宿泊し、無理難題をふっかけるやり方は、恨みを買うようなものだった。
ホテルの友人による情報から、山下を狙っている犯人が判明。
山下によって、退職に追い込まれたベルマンの森本だった。
山下の部屋にまで押し入り、刃物を向ける森本を確保する、江口。
しかし山下は、森本を警察に突き出すことはしなかった。
山下さんの無理難題に悪意を感じて仕方ありません
山下さんの無茶振りには、読んでるだけでもイライラが募りました。
これを実際に受けているホテルマンたちの、心労はいかなるものだったでしょう。
タイトルは“江口の不幸な1日”ですが、フロントの岡田さんも災難でした。
週末の忙しい中、山下さんの依頼でなんとかレストラン部に、5人分のコースをとってもらったのに、山下さんの一言でキャンセルに…。
レストラン部の方は、席の空きはモチロン、食材や人員の確保も無理して用意してくださっているのに。
しかも、山下さんはそれをわかってやっている。
いくら取材のためとはえ、この無茶振りには悪意しか感じません。
岡田さんの「レストラン部怒らせると、怖いんだよー!!」という言葉は、それだけレストラン部の方々が苦労して、オーダーを通してくれたことを知っているからだと思います。
ベルマンだった森本さんが、当時、山下さんにどんな無理難題を押し付けられたのかはわかりません。
でも、グランドパークホテルでのやりとりを見ていると、恨みたくなるくらいだったんでしょう。
山下さんくらい賢くて、洞察力に優れている人なら、こんなことをしなくてもいい記事が書けたでしょうに…モヤモヤが残ります。
しかし、この物語で描かれるグランドパークホテルのチーム力は、大好きです!
“困ったことがあったら、助け合い!”。
江口さんをはじめ、ホテルの従業員が全員でことにあたるところは、胸が熱くなりました!!