新聞折込のオモチャ屋さんのチラシが楽しみでした
裕福でない家庭で育ったの私は、洋服はどこかでもらって来た子のお下がりが当たり前。 オモチャも、買ってもらえなくて当たり前の子どもでした。
2年に1回くらいくる、叔父さんが買ってきてくれたり…法事で集まったときに、叔母さんが1つオモチャを買ってくれたりするくらいで。 数えるほどしか、持ってなかった。
私が子どもの頃は、リカちゃん人形が流行っていたのですが、どれだけねだっても買ってもらえることはありませんでした。 名前もわからないクールビューティーな顔した女性の人形は「いらんて言う子がおったけん、もらってきた」といって1つくれたことがあるなぁ…。
あと、祖母がパチンコ好きで、景品にあったロボットをもらったこともある。 手のひらサイズのぬいぐるみも、いくつかもらった(気がする)。
どうやってもリカちゃん人形が手に入らないとわかった私は、新聞に挟まっていたオモチャ屋さんのチラシに目を留めた。 沢山の商品の片隅に、小さいながらもリカちゃん人形が写っている。
ハサミを持ち出すと、私はチラシのリカちゃん人形を切り取った。 「よし!リカちゃん人形…だ!」 下手クソでも、自分で切り抜いて作ったリカちゃん人形は、特別な気がした。
以来、オモチャ屋さんの広告を楽しみにするコになりました。
人形もリカちゃんハウスも手作りで
広告の紙を切っただけでも“人形”にはなるのですが、ふにゃふにゃしていて使いづらい。 それに、柔らかいとすぐに破けて、あまり長く使えません。 なので厚紙をくっつけて。
どうせなら立たせてみよう…と、紙相撲をヒントにして作りました。
オモチャ屋さんの広告は、他にも小物とかの写真が載ってるから、それも切り取ってセロテープでくっつけて、人形に持たせてみたり。 でも…洋服を切り抜いて、着替えにする発想はなかったなー。
人形の洋服って、綺麗に全体が写ってるの少なかったし。 女のコの洋服だとレースとか、細かく切り取る技術が必要になってくる。
そのかわり!集めた段ボール箱で、リカちゃんハウスは作りました!! 美容院も作ったなー。 テレビのコマーシャル見て、研究するんですよ!
「家にあるもので、どうやったらあんな形が作れるか?」
アルミホイルを貼って、鏡にしたり。 輪ゴムを何本も繋いで、シャワーの伸びるホースにしてみたり…いろいろ。
その頃はお菓子の空箱とか、段ボール箱をもらえると嬉しくて嬉しくて!! これを使って、次はどこを作ろうと考えては、ワクワクしてました! 欲しい機能を、いつでも自由に追加できる。
第三者の意見はどうあれ、自分で作ったハウスや美容院に、大満足していたのです!
しかし、大人から見ると理解できないゴミ…だったんでしょうね。 ある日まとめて、捨てられました。 私のいない間に。
ショックで泣きわめいて、親に「返してー!」って頼んだけど、返ってくることはありませんでした。 ずっと持っていようと思ってたのになー。残念です。
今でも段ボール箱を見ると、「あー…リカちゃんハウスー」って、たまに思い出します。