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映画『のぼうの城』ネタバレ感想-長親のギャップに萌えました!

てっきり"豊臣秀吉vs成田長親"なんだと思ってました

2012年に公開された、映画『のぼうの城』。 出演は野村萬斎さん、榮倉奈々さん、成宮寛貴さん、山口智充さん、上地雄輔さん、山田孝之さん、西村雅彦さん、平泉成さん、夏八木勲さん、市村正親さん、佐藤浩市さん。

>公式サイト⇒映画「のぼうの城」オフィシャルサイト

映画の煽り文句を読んでから、てっきり"豊臣秀吉vs成田長親"なんだと思っておりました。 実際に長親と戦ったのは、石田三成だったんですね。

予想以上に迫力があって、それでいて"のぼう"というキャラクターが、とても愛おしく描かれている作品でした!!

今回は、映画『のぼうの城』のネタバレ感想を書きます。 結末を含みますので、苦手な方はご注意ください。

映画『のぼうの城』のざっくりしたあらすじ

豊臣秀吉市村正親さん)が、天下統一が目前にする頃。 関東平野に拠点を置く、北条は本拠地・小田原城の周囲にある、22の支城へ「籠城(城に立て籠もって、敵を防ぐ)せよ!」と、命令する。

“浮き城”の異名を持つ、忍城(おしじょう)の城主・成田氏長(西村雅彦さん)は、戦況を見て秀吉に降伏しようとしていた。 北条に従うフリをしながら、秀吉が来たら速やかに城を明け渡すよう、家臣に言い聞かせる。

氏長は小隊を率いて小田原城へ向かい、城は従兄弟の長親(野村萬斎さん)に任せた。

ところが、この長親。 不器用で運動神経も悪く、頭のキレも良くない。 ただし。 城主の従兄弟とは思えない、ほのぼのした人柄は、領民たちからとても好かれている。

領民たちは皆、長親のことを親しみを込めて“のぼう様”と呼ぶ。 領地を散策する長親と笑いあったり、歌ったり、踊ったり。 老若男女問わず、長親に心を開いていた。

幼馴染みで、家臣の正木丹波守利英(佐藤浩市さん)は、そんな長親の世話係。 突飛な発言や行動をする長親のフォローをしたり、尻を叩いてシャンとさせたり…etc。

秀吉の命を受け、石田三成上地雄輔さん)が2万の兵を率いて、忍城へ向かって来る。 氏長の指示通り、早々に城を開け渡すべく三成の使者・長束正家平岳大さん)を招いた。

正家は、長親たちが端から戦をする覚悟など無いと決めつけ、暴言を吐き捨てる。 それにキレた長親は「戦う!」と、宣言。

元々、降伏する気のなかった柴崎和泉守(山口智充さん)や酒巻靭負(成宮寛貴さん)たちは、長親の言葉に大喜び!

氏長が、不在。 長親の父・泰季(平泉成さん)まで病で亡くなる中、丹波たちは次の当主を長親に決めた。

長親が当主となり、戦をすると聞いた領民たちは、自ら進んで加勢すると言い出す。 自らの土地を、存分に知っている農民たちと手を組み、武士たちは力を出し合って三成の兵を退けていく。

三成は、中々落ちない忍城に苛立ち、城の周囲を巻き込んでの、水攻めを決行した。 忍城の南北に流れる、利根川と荒川から流れ込んだ水は、あっという間に成田家の領地を飲み込んでしまう。

長親は、多くの民と、民が大切にしていた土地を失ったことに、怒り悲しむ。 「水攻めを破る!」というと、数隻の小舟で光成の陣営に近づいてゆく、長親。 なにをするかと思えば、女物の着物を着て小舟の上で1人。歌い、舞い踊ってみせた。

長親のひょうきんな舞に、三成の兵はもちろん、すべてを失くし落ち込んでいた領民たちも笑顔を取り戻す。 一気にその場にいた全員の心を掴んだ長親を、三成は撃ち殺せと命じる。

撃たれた長親は、反動で舟から落ち、水の中へ沈んでゆく。 「自分が撃たれて死ぬことで、自軍の兵の士気を高めようとしている」と考えた丹波は、先読みしてすぐに長親を引き摺りあげた。

肩を負傷した程度で済んだ長親だったが、丹波たちには「こんなことをしても」と、しこたま怒られる。 そこへ「水がひいてゆく!」という、報せが入った。 長親の狙いは、水攻めの外にいる民たちに、うずたかくつくられた堤防を"外側から"壊させることだったのだ。

水攻めまで破られた三成は、突撃の構えを見せ。 丹波は傷ついて動けない長親の代わりに、1人打って出ようとする。 ぶつかり合う直前―…使者が駆けつけ「小田原城が落ちたので、これ以上の争いは不要!」と告げた。

戦が終わり、負けた長親の元へ「会ってみたい」と、三成自らがやって来る。 小田原城はもちろん、22あった支城も…この忍城を除いて、すべて落ちたのだ。 守り切った当主の顔を、どうしても見たいと言って。

三成から出される要求をほぼ受け入れた長親は、職を失くした武士たちの再就職先を心配してやるなどして、その後は穏やかな人生をおくったという。

長親のギャップは萌えキュン必至!!

「のぼう」が「でくのぼう」の略だった…というのも、映画を見た後にネット検索して知りました。 でも、知って納得。

だって長親は、農民たちからも「不器用」って言われるほどですし。 迎えに来た丹波の馬に乗るときも…「え?!なんか、今までに見たこと無い乗り方してるけど…大丈夫?!」と思うほど、アクロバティックでした。

小さい子どもや、女性を乗せるほうが簡単なんじゃないでしょうか。 無駄に図体が大きい分、馬上で暴れられると一緒に落ちかねません。 丹波の苦労を、一瞬で理解できた場面でした。

大切に想うもの…が、氏親や泰季とは違うんですね、長親は。

勝ち負けとか、地位とか名誉とかよ鋭いりも、目の前にいる守るべき民を笑わせることが大事。 ぷらぷらしているように見えて、譲れない部分は守り切る強さを持っている人でした。

頭が悪そうに見えるけど、実はすべてを理解していたりするんでしょうね。 情けない表情の傍ら、力強い眼差しを見つけると、なんとも言えずに感情が高ぶりました!! 長親、ギャップ萌え過ぎるっ!!