マンガ『誰が殺したの?それは僕と僕が言った』全6巻ネタバレ感想
マンガ『誰が殺したの?それは僕と僕が言った』(青鹿ユウ著・アムコミ)全6巻。
コミックシーモアで見つけて、タイトルに惹かれて購入しました。
表紙のイラストも好みで…中を開いてみると、ストライクど真ん中!!
ページをめくるたび、どんどん惹き込まれていきます!!
今回は、マンガ『誰が殺したの?それは僕と僕が言った』全6巻ネタバレ感想を書きます。
結末を含みますので、苦手な方はご注意ください。
マンガ『誰が殺したの?それは僕と僕が言った』全6巻のざっくりしたあらすじ
フリーターの上代 誠(かみしろ まこと)、25歳は"選ぶ"ことを極端に嫌う。
食べ物や、付き合う彼女まで、すべて人に決めてもらう徹底ぶり。
それは小学4年生のとき、誠の提案で山へ行くことになった3人の友だち…両岸 悟(りょうぎし さとる)、星野秀一(ほしのしゅういち)、小山初美(こやまはつみ)を、亡くしてしまったからだ。
「あのとき自分が山へ行くことを"選ばなければ"」と、悔やみ続けている。
さらに彼の記憶の中には、血の付いた鉄パイプを握りしめ、足元に横たわる初美を見下ろす自分がいた。
それは、初美を殺害したかのような場面―…。
誠は、自分が彼女を殺したのかもしれない…もしかすると、他の2人も…?と、誰にも言えない恐怖に苦しむ。
詳しく思い出そうとすると、頭痛と吐き気に襲われ、思考が遮られてしまう。
ある日、スマホにメールが届く。
差出人は、自分。
「選択せよ」と警告するメールは、タップしなければ鳴り止まない。
誠がタップした瞬間…世界は歪んで、途切れた。
気がついたのは、廃校舎。
街中からどうやってここまで来たのか、まるで記憶が無い。
廊下を歩いていると、自分そっくりの男と出会う。
怯えて逃げ出す誠の前に、さらに自分そっくりの男が、もう1人。
名前と年齢をきけば、3人とも同じ上代 誠・25歳。
だが職業や、家庭環境は違っていた。
全く同じ名前なので、暫定的にメガネをかけている誠は、「メガネ」。
ボーダーの服を着ている誠は、「ボーダー」。
特徴のない誠は、そのまま「誠」と呼ばれることになった。
大学を中退して、無職の誠とは違い、メガネはIT企業の社長で、ボーダーは専業主夫。
幸せな人生を歩んでいることを、知る。
ところが小学生のとき、山で同級生を亡くしたことは同じだった。
メガネは別世界に存在している同一人物が、なんらかの事情で集まったのではないかと、推測。
イレギュラーなことなので、すぐに元の世界に戻れると結論付けた。
そこへ再び、「選択せよ」と警告するメールが届いた。
3人が同時にタップすると、メガネの暮らす世界へ跳ばされてしまう。
誠とボーダーは、彼が自虐的に働く姿を見て、惨殺事件の生き残りとして、自分を罰しているように見えた。
次に、ボーダーのクラス世界へ跳ばされた、3人。
そこには誠とメガネの世界では死んでしまった、初美がいた。
ボーダーは、彼女と結婚したという。
初恋の想い出にひたる、誠とメガネ。
大人になった初美を見て、嬉しく思う2人だったが…彼女は、過去の事件に捕らわれたままだった。
今も夜中になると、恐怖で乱心してしまう。
目覚めるとそのときの記憶はなくなるらしいが、体力の消耗は激しい。
ボーダーは食事を管理することで、初美の健康維持に努めていた。
そして彼女にトラウマを負わせた犯人を見つけて、いつか殺すことを企んでいる。
メガネとボーダーは、一番最初に辿り着いた廃校舎が、この事件の発端となった"過去"であることに気づく。
3人であの場所へ戻り、同級生たちを救おうと力を合わせるのだが…。
選択を繰り返してゆくうちに、身体が透けてきたメガネとボーダーは、自分が消えてしまうのではないかという不安に駆られ、残りの2人を殺すことを考える。
誠は、生き残ることすら選べずに逃げ出すのだが、そこで小学生の自分と出会う。
彼は、ずっと同じ日を繰り返しているらしい。
毎日毎日、友人を花火へ誘い。
そして殺人犯に同級生たちを殺されるところを、目撃するのだ…。
彼を悲しみから救えるのは、自分たちしかいないと悟った誠は、メガネとボーダーに協力を依頼。
3人は殺人犯から身を挺して同級生たちを守り、命を落とす。
誠も犯人を道連れに、崖から落ち絶命したが…気づいたときには元の世界に戻っていた。
特に表立って変わったことはなかったが、誠の記憶の中には小学生の頃…同級生4人で楽しく花火をした記憶が、残っていた。
いろんな可能性を秘めた未来へ向かって、誠は力強く一歩を踏み出す―…。
大好物のパラレルワールド×タイムリープてんこ盛り!!
パラレルワールドの交差と、タイムリープ。
SF要素が盛り沢山の作品で、ワクワクしました!!
話が進むほどに、謎が深まっていく展開もすごく好みで!!
いかんせん…張られた伏線が、全く読み解けませんでした。
誠、メガネ、ボーダーの3人が集められたのは、小学生の頃の誠(以下、ちび誠とします)の影響らしい。
というのは、わかりました(…でも、なんとなく違和感が残ります)。
タイムリープする"今日"を誰かに止めて(進めて)もらいたい…という、強い願いがあったから。
でも、ちび誠の言葉からすると…どうも、何人もの"誠"が別世界からやってきているらしいことが、わかります。
その人たちは、どうなったんでしょう。
あと、ちび誠が置いて行った花火は…なにか意味があるんでしょうか?
そして、ちび誠の同級生を殺したのは、別世界の誠らしいことも、主人公・誠の回想から推察できます。
廃校舎に戻って来た3人が揉めて、メガネがボーダーの腕を掴んだときの表情にも、なにかが隠されていそうなのですが…私にはわかりませんでした。
メガネの表情からすると、真犯人はボーダー?とも思うのですが。
一番気になるのは…なぜ誠だけが、透けなかったのか??
誠が元の世界に戻ったことで、メガネとボーダーは消滅してしまったんじゃないかと思います。
さらに―…
この後、命をかけて救った同級生たちの手によって、誠が人生破綻させられて、また過去へ跳ぶのではないかと。
それでタイトルが『誰が殺したの?それは僕と僕が言った』で、永遠にループして終わらない物語なのかな?と妄想しました。
…伏線が全部明らかになって、真犯人がわかれば「ぞわっ」とすること間違いないんだろうなと思うだけに、読み解けないのが悔しいです。