【スタッフ】(敬称略)
監督:あおきえい
シリーズ構成・脚本:舞城王太郎
原作:The Detectives United
アニメーション制作:NAZ
【キャスト】(敬称略)
鳴瓢秋人(ナリヒサゴ アキヒト)/名探偵・酒井戸(サカイド):津田健次郎
百貴(モモキ):細谷佳正
富久田(フクダ)/名探偵・穴井戸(アナイド):竹内良太
本堂町(ホンドウマチ)/名探偵・聖井戸御代(ヒジリイド ミヨ): M・A・O
東郷(トウゴウ):ブリドカットセーラ恵美
早瀬浦(ハヤセウラ):村治 学
白岳(シラタケ):近藤 隆
羽二重(ハブタエ):岩瀬周平
若鹿(ワカシカ):榎木淳弥
国府(コクフ):加藤 渉
西村(ニシムラ):落合福嗣
松岡(マツオカ):西 凜太朗
飛鳥井(アスカイ):宮本侑芽
cometikiのざっくりしたあらすじ
連続殺人事件が多発する、日本。警視庁は犯人逮捕のため現場に残された残留思念から殺意を読み取る機械『ワクムスビ』を開発。採取したデータは『蔵』と言う特別班の元へ送られ『ミズハノメ』という装置を用いて、深層心理の世界『イド』を作り出す。元刑事の殺人犯・鳴瓢は、その世界で手がかりを掴むため『ミズハノメ』の端末から意識をアクセスさせる。『イド』の中で『名探偵・酒井戸』になった鳴瓢は『カエル』と言う少女の死の真相を解き明かすことになるのだった。
毎回様々な犯人たちの『イド』の中で活躍する酒井戸の姿は胸熱です!!現実世界と『イド』のリンク。分析チームと、捜査チームの連携プレーも見ごたえがあります。
犯人の真相に早くたどり着きたくて、ついつい全話一気見したくなる『ID: INVADED イド:インヴェイデッド』の感想について書いていきます。
ネタバレを含みますのでご注意ください※真犯人については記述していません
鳴瓢秋人+名探偵・酒井戸=愛情深い男
「ナリヒサゴ、ナリヒサゴ…」と、耳に馴染むまで大変でした。馴染むまでは鳴瓢のこと、酒井戸って呼んでたほどです。
第1話の鳴瓢は『イド』の中でも現実でも「どういう人?」と謎に満ちている男。でも回を増すごとに、明らかになっていく過去が…ツライ。
「何か自分の命に無頓着な人だな?」と思えたことも、納得です。愛していた娘さんを殺され、奥さんは後追い自殺。それは自分の中の何かが壊れますよ!
殺人犯を許せない気持ちが強いのも、カエルちゃんに娘さんを重ねて見ちゃうのも仕方ない!!鳴瓢がどれほど家族を愛していたのか、捜査のたびに伝わってくるから胸が痛くて痛くて。
カエルちゃんはシステムが構築した存在だけど、鳴瓢はいつも人として接するんですよね。最初から死んでいないといけない存在なんだってわかっていても、助けたいし。カエルちゃんの姿を尊重したいと思っている。
第2話の首つり自殺だったカエルちゃんを、ドリルで貫かせてしまったことを後悔するシーンとか、第6話の電車の中でカエルちゃんにすがって涙するシーンとか、大きい意味での愛を感じます。鳴瓢は愛に溢れた男の人なのだと。
とてもじゃないけど、何人もの殺人犯を自殺に追い込むような人間ではないんです。
ミズハノメとジョン・ウォーカー
クライマックスに入ると連続殺人犯を操っていたのが、ジョン・ウォーカーと言う男だと断定されます。
この男が、本当に腹の立つやつで!!どんだけの人の人生を狂わせたんだ!?しかも自分の手は汚さずに!!
すべての始まりは、飛鳥井と言う特殊な能力を持つ女性なのかな?飛鳥井とジョン・ウォーカーの出会いって、描かれてない気がするんですが…偶然なんでしょうか?
飛鳥井の夢の中に入れることに気づいたジョン・ウォーカーが、彼女を子供の頃から痛めつけていたのだと、わたしは思っています。
そして1人遊びに飽きると素質のありそうな人間を招いて、言葉巧みに彼女をいたぶらせたんだろうなぁ。夢の中だけでは、満足できなくなる状態まで。
ジョン・ウォーカーは、自分の最終目的のために一体どれくらい前から計画を練ったのでしょう?実行に移すと決めたのは、現実で飛鳥井を見つけてからだろうけど(ミズハノメ作らないといけないから)。
考えれば考えるほどムカつきます!ジョン・ウォーカー!!「ここが始まり」と思う以前から、あの男の思い通りになっていたんだとわかるので。
さらにですよ!鳴瓢まで計画に組み込まれていたと言うんですから、本当に腹が立ちます!!(殺人犯たちを自殺に追いやっていたのは、ジョン・ウォーカーのせいだったんです)
できるなら画面の中に手を突っ込んで、殴りたい!!←落ち着け
飛鳥井の…普通に生活できない(周囲に影響及ぼしてしまう)ほどの特殊能力っていうのは、凶器ですね。せめて自分で制御できればいいのに…いや、待て。これもジョン・ウォーカーのせいなのか?
あの男さえいなければ、もうちょっと制御できる状態になっていたかもしれないんじゃ…と、今考えても仕方のないことを思ってしまいました。
『ミズハノメ』と言う中に閉じ込められることで、自我をなくしつつ生きられると言う矛盾。
飛鳥井は『ミズハノメ』の中に戻っていくしかないんですが…彼女の前に現れた酒井戸の幻が、いつか現実になればいいなぁと願わずにはいられません。
数田 遥と井波七星
7人の連続殺人犯の中で、一番印象に残っているのが『墓掘り』です。
犯人は、まさかの2人組でした!!
連続殺人犯・富久田の手で頭に穴を開けられた数田は、脳に損傷を受け愛情表現と殺意がすり替わってしまいます。それと恐怖を感じる部分も、弱くなってしまったのでしょう。
中学生時代から片想いをしていた井波に、せっせと貢物(人の死)を送るのですから。
数田と井波の再会も描かれていなかったように思うのですが…数田が井波の家を訪ねたのかな?それでいきなり、プレゼント??
「こんなの作ってみたんだけど」と、ライブ映像を見せたら井波が喜んで…「もっと見たい」ってせがまれたりしたのでしょうか?
井波は、人間の傷や死を見るのが大好きという嗜好の持ち主だから、喜ばないわけがない。脳に損傷を受けたことで、その良さが数田にもわかるようになってしまった…のかな。
穴を開けられる前の数田と井波の関係を、できることなら見てみたかったです。第6話の電車のシーンみたいな感じなんでしょうか?切ない…。
繊細な女心が掴めてなくて、わたしの中で数田は井波の犬…みたいな存在になっております←ヲイ
「それでもいい」って、数田なら言うのかなぁ。それとも心はしっかり繋がっていて、両想いだった!という展開なんでしょうか?そうだったらいいな。
登場キャラクターたちに感情移入しすぎているのか、「なんだよ!!みんな、幸せになってくれよー!!」と応援してしまうんです。
残念ながら亡くなってしまったキャラもいますが、元気なキャラたちには少しでも笑顔でいる時間が増えるといいなと!!
アニメのストーリーや画はもちろん、キャストのみなさんのお芝居も本当に素敵ですので、気になったかたはぜひ見てください!!
そしていつか続編が見られることも、期待しています!!
アニメ『ID: INVADED イド:インヴェイデッド』 6回見て気づいたこと
①富久田のこだわりについて
富久田が数唱障害を患っていることは、酒井戸の推理でわかっていたものの。「3」と言う数字にこだわる性質が、名探偵・穴井戸になってからの上着やシャツ(独特なデザインだと思ってたけど)、ピアスの数にまで影響されていたとは!
『イド』に入ると数唱障害が復活しちゃうそうなので、無意識に自分の安心する数を身に付けていたのでしょうか。
連続殺人犯ではあるものの、最初に自分を殺そうとしてるんですよね…富久田。運悪く生還しちゃって、挙句ジョン・ウォーカーに目をつけられてしまったから、こんなことになったんじゃ…と思うといたたまれません。
②鳴瓢×飛鳥井の関係について
自分の思いや夢を他人にまで広める…と言う特殊能力の持ち主・飛鳥井。コントロールできないから、逆に他人にも勝手に心の中へ入り込まれてしまうと言う…なんとも無防備な状態。
そのうえ記憶力が良いものだから、何度も悪夢を反芻したりする。
6回見てようやく飛鳥井の言っている意味を少し理解できた気がするのですけど…彼女にとっては夢も現実と同じ記憶になってるんですね。私自身は夢というと、8割くらい時間とともに忘れてしまいます。
鳴瓢もそうなんじゃないかな…だから「夢に入ってくる殺人鬼を排除したら、飛鳥井は安心して暮らせるようになる」と、考えた。
ところがいくら犯人を捕まえようが、何をしようがムダだったんですよね。過去の記憶が夢に出てきて何度も殺されたり、いたぶられたりするわけです。飛鳥井は。なんという、生き地獄。
そんな彼女に唯一“共感”できるのが、鳴瓢なんですね!!
鳴瓢の酒井戸としての記憶…何度も何度も井戸の中で味わう、死。その苦痛は現実のものでは無いけど本物で、消える事は無い…。
鳴瓢「夢の中で殺人鬼たちがあなたを殺害している。それも、何度も何度も。夢の中で夢の中なら繰り返しあなたをいたぶることができるから」
飛鳥井「やめてください」
鳴瓢「クッソ!!」
飛鳥井「大丈夫ですか?私が思い出してしまうとあなたに届くのを止めようがないんです」
鳴瓢「ただの映像だ、けどあなたには現実と変わらない体験ですよね」
>引用元:アニメ『ID: INVADED イド:インヴェイデッド』FILE:09 INSIDE-OUTED
この場面の鳴瓢の「ただの映像だ、けどあなたには現実と変わらない体験ですよね」というセリフが、『イド』での酒井戸とリンクするんだって腑に落ちたときの心のざわめきといったら!!
③実写ドラマみたいだと思ったら、こだわりがすごかった
何度も見ているうちに「アニメって言うより、実写ドラマみたいだな」と思うようになりました。特に鳴瓢と百貴の掛け合いなんて、息遣いとか心音(は、聞こえないですけど)まで、キャラと演者さんがシンクロしてるようでようで!!
詳しく知りたくてインタビュー記事を探してみました。
日本でもさらに盛り上げて――あおきえい監督、津田健次郎さんら声優・スタッフ陣登壇『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』スペシャルイベントレポート・インタビュー https://t.co/4jBXtWdew0 #イド #津田健次郎 #細谷佳正 #榎木淳弥
— アニメイトタイムズ公式 (@animatetimes) 2020年2月23日
ビックリ!演者さんのお芝居に合わせて、アニメの画のほうを変えてしまうなんて!!こんな作り方、聞いたことありません。
さらに驚いたのが、鳴瓢役と百貴役もオーディションだったこと!!てっきり津田さんと細谷さんを意識して作られたキャラかと思っていました。それくらい、キャラと役者さんが一心同体に見えるのです。
こちらの記事、他にも「え!?そうなんだ!!」と言うことが盛り沢山に書かれているので、お勧めです。
あー、また見たくなってきた!!
そして、インスタレーション?という新しい表現方法も気になります。次回開催されることがあれば、配信してくださらないでしょうか…見たいです!!