オリジナル300文字短編小説まとめ
このページでは、創作したオリジナルの300文字短編小説を掲載してゆきます。
Twitterや他のサイトにも載せますが、まとめページを作るなら自分のブログに!と。
300文字以内で書いた短編なので、お時間あるときに読んでいただけると嬉しいです!
タイトル『制御不能のかっぱらい』
アルバイトをクビになり、手持ちの現金はすぐに底をついた。
飯抜き4日目。
足元に高級な財布が転がっていた。
中身は一万円札が十数枚と、有名企業の社員証。
「神宮寺。名前まで高級だ」
お金だけ抜き取り、財布を捨てようとしたとき。
「神宮寺さん」と若い男に声をかけられた。
僕の苗字ではない。
財布を盗んだことがバレないよう、必死に話を合わせた。
すると勤務先に連れて行かれ、終業後は自宅まで車で送迎された。
僕以外の人間が僕を「神宮寺」だと認識している。
気味が悪くなり、夜の街へ駆け出した。
そこでまた財布を見つけた。
中は一万円札が百枚ほど。
背中に氷のような汗が流れていく。
声をかけられる前に、別の人の財布を盗まなければ。