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【朗読劇感想レポ】声優朗読劇フォアレーゼン『あの坂の向こう』-朴さん×佐藤さん×畠中さんの掛け合いが最高過ぎて悶絶!

【朗読劇感想レポ】声優朗読劇フォアレーゼン『あの坂の向こう』感想レポ-タイトル画像

佐藤さんの目の表現力がたまりませんでした!

ここでは、2022年10月30日(日)に観劇した、声優朗読劇フォアレーゼン『あの坂の向こう』の感想を書きます。(主に佐藤さんの感想となります)

ネタバレや結末に関わることも含みますので、苦手な方はご注意ください。


期間:2022年10月30日(日)
出演(敬称略): 朴路美佐藤拓也畠中祐
会場: 四日市市文化会館 第2ホール (三重県)

※以下、あらすじから本編感想に至るまで、わたしの脳内加工済のものとなります。事実と異なる部分があるかもしれませんが、何卒ご容赦願います。
※正しい情報のみを求めておられる場合は、このままページを閉じることをオススメします。


いやもう、とにかく朴さん×佐藤さん×畠中さんの掛け合いが最高過ぎでした!
兼役が多かったので、簡単に配役をまとめておきます。

【配役】
朴さん…ヤマトタケル/(草薙剣)/(ヤマトタケル)←カッコ内は、草薙剣が憑依した状態のもの
佐藤さん…草薙剣/弟/オオウス/子ども/族長
畠中さん…ナレーション/景行天皇/村人/男/娘/息子/髭猿

>引用元:声優朗読劇フォアレーゼン『あの坂の向こう』台本

これだけ沢山の登場人物がいるのに、声や雰囲気が全部違うの…スゴかったです。
スゴかったと言えば、佐藤さんの目の表現力!!声はもちろんなのですが、瞳でも語っておられて…見惚れてしまいました。

声優朗読劇フォアレーゼン『あの坂の向こう』のざっくりしたあらすじ

ヤマトタケルは父・景行天皇の命令で、大和各地に散らばる天皇の意向に背く者たちを見つけ、討伐していた。
「命まで奪う必要があるのだろうか?」という疑問を抱きつつも、父の言葉に従うヤマトタケル

父から可愛がられる一方で、兄・オオウスには殺意に近い嫌悪を向けられている。
ヤマトタケルも、オオウスのことは苦手だった。

弱い立場の人間に対して、傍若無人に振舞うところとか。
父の妻になるはずだった女性を、自分の妻にしたりと自分勝手が過ぎるのだ。
蝦夷(あずまえびす)への出陣も、結局押し付けられてしまった。

挙句「父上は、お前を殺そうとしている」とまで、言われてしまう。

翌朝。オオウスの言葉が気になって、兄の部屋を訪れる。
そこには冷たくなった、オオウスがいた。
妻二人がオオウスの仕打ちに耐えかねて、殺してしまったのだという。

ヤマトタケルは二人をかばい、自身がオオウスを殺したことにする。
父には、オオウスが父の命を狙っていたため、討ち取ったと報告した。

そして、東蝦夷へ向かって旅立つ。
途中、伊勢に寄り斎王の叔母を訪ねた。
叔母はヤマトタケルに、一本の剣を授ける。それが、霊剣・草薙剣だ。

草薙剣は、お喋りだった。未来を予知して聞かせたり、目の前に現れた人間が敵か味方か判断してみせたり。
ヤマトタケルが言うことをきかないときは、その体に憑依して言うことをきかせたりした。

道中、ヤマトタケル草薙剣はいろんな話をする。
古くからの友だちように、気兼ねなく言葉を交わしてゆく。

上総国へ向かうため、海を渡ろうとするのだが、時化が続いてどうにもならない。
草薙剣が原因を探ると、それはオオウスの霊の仕業だった。しかも、ヤマトタケルの邪魔をしたいのではなく、心配しているという。

オオウスは死後、己の行いを悔いていた。そして父である景行天皇が、本気でヤマトタケルを殺そうと計画していることを知ったのだ。
ヤマトタケルの母親にも危険が迫っているから、引き返せと言う。

だがヤマトタケルは、任された仕事を全うすべく海を渡る。
渡った先には、ヤマトタケルたちが来ると知っていたかのように、敵軍が海岸線で待ち伏せていた。

一目見て人数差で勝てる訳がないとわかったが、ヤマトタケルはそれでも剣を振るって、敵を討ち捨ててゆく。
気がつけば、ヤマトタケルは敵軍すべてを滅ぼしていた。

勝利を収めたヤマトタケルのもとに、景行天皇の親衛隊隊長・髭猿がやって来る。
景行天皇が国境まで、迎えに来ているというのだ。

罠だと気づいた草薙剣は必死に制したが、ヤマトタケルは無視して歩き出す。
その場所が、長く夢で見ていたものだったからだ。

己の運命を悟ったヤマトタケルは、飛んでくる矢を避けもせず受け入れた。
肩、胸、腕、足、腹…最後、眉間に矢を受けて、ヤマトタケルは死んでしまう―…。

声優朗読劇フォアレーゼン『あの坂の向こう』の感想レポ

【朗読劇感想レポ】声優朗読劇フォアレーゼン『あの坂の向こう』感想レポ01

 

【朗読劇感想レポ】声優朗読劇フォアレーゼン『あの坂の向こう』感想レポ02

 

どこまでいくの?!な朴さん×佐藤さん!!に、ドキドキハラハラな畠中さん

何度も言ってしまうのですが、とにかく朴さん×佐藤さん×畠中さんの掛け合いが面白くて!
中でも、朴さん×佐藤さんは掛け合いっていうか、仕掛け合い?!みたいになってました。
会話のキャッチボールっていうよりも、テニスやバドミントンみたいに激しい打ち合いって感じです。

これがまた朴さんが仕掛ければ、佐藤さんが受け。佐藤さんが仕掛ければ、朴さんが受け…という風にエンドレス!!多分、台本にはないような部分も、取り入れておられたんじゃないかなぁ。

それは客席が反応を返すと、さらにエスカレートしていって「うはぁ…音楽のセッションみたいだ」と、見惚れるばかり。時間制限とかなかったら、延々観ていられたのではないだろうか…いや、観ていたかったです!!

そんな中、ドキドキハラハラしながら本題に引き戻すのが、畠中さんなので思わず「畠中さん、がんばれ!」と、何度か応援せずにはいられませんでした。台本の台詞だとしても、あの中に割って入るのはメッチャ勇気がいったハズ。本当に、お疲れ様でした。

印象的な場面:ヤマトタケル×オオウス

品行方正なヤマトタケルと、横柄で酒癖の悪いオオウス。
このオオウスを佐藤さんが演じられたのですけども、ねっとりした嫌な男感がすごくて!(←いい意味で)

舞台から離れた席に座っているというのに、その口から吐き出すアルコールの臭いが、鼻先をかすめるようでした。
ヤマトタケルが清くあればあるほど、際立っていくオオウスの黒く濁った感情がたまりません!(←いい意味で!)

逆に言えば、ここまでこじらせてしまうほど、オオウスは悩んだり傷ついたりしてきたのかなぁ。
後継者争いとか、階級制度とか?隙を見せたら、親や家臣からも命を狙われる時代って…わたしだったら、生きているだけで死にそうです。

オオウスは物語開始早々に殺されてしまうものの、後半の死んで改心してからの言葉(草薙剣を通しての)がメッチャイイんですよー!!「オ"オ"ウ"ス"~!!あんたって子は~!!」って、なりました。

中でも、妻二人を本気で愛していたってところがね、もう…本当に。
生きている内に、ちゃんと伝えておけばよかったのにー!!と、地団駄踏みまくりです。
伝えたい気持ちは、伝えられる内に言葉にしておかないとだな…って、オオウスを観て改めて思いました。

印象的な場面:ヤマトタケル×草薙剣

草薙剣も演じられた、佐藤さん。
こちらはオオウスとは打って変わって、カラッとした声音と雰囲気。聖剣にしたら、ちょっとチャラいんじゃ…と思うほどでした。(←いい意味で!)

「斎王からのいただき物だし…」と、最初はおっかなびっくりしてたヤマトタケル。(←かわいい)
ところが、気さくで無遠慮な、お喋りあんちゃん(聖剣)なので、ヤマトタケルも段々遠慮がなくなってきます。…この、口喧嘩できちゃうくらいの雰囲気になっていく様が、とてもとても愛おしかったです!

兄貴風を吹かせたがる、草薙剣と。
自分は剣を振るう側だと、主導権をとりたいヤマトタケル
この二人がね、わちゃわちゃ、わちゃわちゃしていくんですよー!!メッチャ可愛いの!!

わちゃわちゃの中で、草薙剣ヤマトタケルを心から護りたいと思うようになるし。
ヤマトタケル草薙剣を、信頼していく―…。

なのでねー…。ラスト…ラストの罠に嵌められたヤマトタケルを救おうとする、草薙剣の必死さはもう、涙なくしては観れなくて。
一方でヤマトタケルは運命を受け入れて、草薙剣に願いを託すんですよ…信じて。

はー…。いっそヤマトタケルを抱えて、草薙剣がどこかへパッと飛んで行ってしまえばいいのに。そこで聖剣の力で復活したヤマトタケルがさ、草薙剣と一緒に幸せに暮らしててもいいじゃないか!と、妄想は止まらないのでした。

あと、いつか。いつか叶えばでいいので、この作品を舞台として観たいです。
朴さん×佐藤さん×畠中さんで!動きのあるお芝居を、観られたらいいなぁ。

【朗読劇感想レポ】声優朗読劇フォアレーゼン『あの坂の向こう』感想レポ03