今回の『結婚したってサンタクロースに夢を見る』は声劇台本と、合わせて短編も掲載しております。
どちらもおなじシチュエーションの作品です。
声劇台本は、男性目線。短編のほうは、女性目線となっております。お時間あればぜひ、両方楽しんでいっていただけると喜びます。
演者:男性・1人(年齢:30代)
※今回ヒロインのセリフは、短編版のほうに書いてありますので、こちらでは省略してます
※SEは効果音のこと(あってもなくても構いません)
時間:2分~4分程度
演じる速度や、間合いによって異なります
場所:自宅のリビング
時間:夜
状況:帰宅した旦那に、晩御飯を用意している
演者側の状況:
結婚して数年の夫婦
子どもはいないが、仲がよく恋人同士のような関係
偶然見た妻のスマホに「サンタコス」の文字があり、大喜び
ぜひともコスプレを見てみたいので、色っぽいおねだりを仕掛けます
【声劇台本】結婚したってサンタクロースに夢を見る
舞台:自宅のリビング(夜)
SE:少し遠くで、扉の開閉音
男性の足音が近づいてくる
ただいまー。
あぁ――、いい匂い! 腹減ったー。
SE:椅子に座る音
お!肉じゃが、うまそー!
ごま和えも、色キレイだね。
SE:少し遠くで、調理中の音
手洗いとうがい、それに着替えも、
もう済ませました。
そう! 食べる気満々!
なにか手伝おうか? 大丈夫?
SE:スマホの着信音
君のスマホだよ――。
え? 電話だったら出ればいいの?
わかった。
SE:椅子から勢いよく立ち上がる音
サンタコスの件って、なに?!
SE:男性、大きな足音を立てて近づいてくる
え?
すっごい見たいんだけど!
サンタコス!!
SE:首を左右に振る音
(色っぽく) 叶えてよ。
お願い、俺のサンタさん。
SE:キス音(唇に軽く)
― 終幕 ―
【短編】結婚したってサンタクロースに夢を見る
結婚して数年。
子どもはいないけど、旦那と2人で楽しく暮らしている。
最近は「いつまでも恋人同士みたいでいいね」と、子育て中の友だちから羨まれるのが悩み。
贅沢なのかなぁ、私。
晩御飯を2人分、テーブルに用意していると、旦那が席に着いた。
「お!肉じゃが、うまそー!ごま和えも、色キレイだね」
付き合っていた頃から、旦那は私の作る食事を必ず褒めてくれる。
そのせいか、料理を苦だと思うことは一度もない。
台所でお味噌汁をよそっていると、テーブルの上の私のスマホが鳴った。
「ごめん!電話だったら、出てくれる?」
「わかったー」と言った旦那が、ものすごい足音を立てて、こちらへやってきた。
「サンタコスの件って、なに?!」
そこに表示されていたのは、妹からのメッセージ。
クリスマスらしいことをする予定はないと言った、私への提案らしい。
「え?すっごい見たいんだけど!サンタコス!!」
私は沸騰した脳みそで、「無理」と答えるのが精一杯!
「叶えてよ。お願い、俺のサンタさん」
いたずらっこの笑みを浮かべて、旦那は私におねだりのキスをした。
― 終幕 ―