こめなべ

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マンガ『ハイリコ』全2巻ネタバレ感想(結末含む)

こめなべ-20161209

ハイパーリコグナイザという超絶記憶認識能力がスゴイ!

面白そうなタイトルと、可愛らしい女のコの表紙に惹かれて、マンガハイリコ』(箸井地図:画、坂本光陽:原作・集英社全2巻を読みました。

"ハイリコ"とは、ヒロインの女のコが持つ"ハイパーリコグナイザ"という、超絶記憶認識能力の略称みたいです。 一度見たら、忘れない。 さらに見た情報を、瞬時に引き出して使うことができるという…ものすごい特殊能力です。

今回は、マンガ『ハイリコ』全2巻のネタバレ感想を書きます。 結末も含みますので、苦手な方はご注意ください。

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マンガ『ハイリコ』全2巻のざっくりしたあらすじ

大学生の堂本雄二(どうもとゆうじ)は、コンビニでバイトをしている。

ある日、店先に座り込む女のコに、一目惚れ! なんとか話しかけられないものかと悩んでいると、その女のコが店に入って来て、レジに立つ堂本に話しかけてきた。

「堂本くん」と自分の名前を迷いなく呼ぶ女のコに、呆然とする堂本。 なぜ彼女は、自分のことを知っているのか?!

すると、女のコは「能見マナ子(のうみまなこ)」と名乗り、自分は堂本の中学生時代の同級生だと語る。 だが、堂本に彼女の記憶は全くない。 卒業アルバムも確認したが、マナ子の名前も写真もなかった。

マナ子に、不信感を募らせてゆく、堂本。 そんなとき、いつもコンビニの前に座っていたマナ子が、突然、女性に向かって駆け出す。

その女性は、銀行のお金を横領して、逃げ回っていたのだ。 マナ子の持っていた写真を見て、堂本は首を傾げる。 そこに写っているのは、派手な雰囲気の女性…目の前の物静かな女性とは、似てもにつかない。

だがマナ子は“ハイパーリコグナイザ”という、超絶記憶認識能力を持っていた。 一瞬すれ違っただけでも、一度見たものは絶対に忘れないという、特殊能力だ。

変装したくらいでは、マナ子の目は誤魔化せない。 額と鼻筋で作られる、Tゾーンのバランス。 白眼と黒眼の比率なども、マナ子は見分けることが出来る。

その能力を活かして、マナ子は探偵をやっている。 警察からの依頼も受けて、人探しや容疑者を探すことも多い。 ただ街を眺めているだけで、マナ子には、なんらかの犯罪に関わった犯人が見つけられるという。

堂本は自分が中学の頃を、忘れているだけだと思い直し、マナ子にどんどん惹かれてゆく。 事件を通して、マナ子ともいろいろ話せるようになってきたとき。 堂本は、マナ子の親友・香苗(かなえ)から、「マナ子とは小学校のときから、ずっと一緒なの」と聞く。

マナ子が、嘘を吐いているー…。

堂本はマナ子が嘘を吐いてまで、自分に近付いてきた理由が気になって仕方ない。 だが、怖くて確かめるタイミングが、なかなか掴めなかった。

そんなとき、コンビニのお客様としてやって来た女性に、マナ子が「その女性は子どもを誘拐し、時間制限を設け少額のお金をうばうという、犯行を繰返す男・西牟田彰雄(にしむたあきお)だ!」と断定。 堂本はマナ子が口にした名前から、その男が自分の父親だと気付く。

刑事の天願(てんがん)も駆けつけ、西牟田を逮捕しようとするが、まんまと逃げられてしまう。 後からやってきた警察の人たちに、事細かく説明をするマナ子を見ている内、堂本は西牟田を捕まえるために、マナ子は近付いて来たのだ…と理解する。

犯人を逮捕する為に、嘘を吐いて近付いてきたマナ子を、どうしても許せない堂本。 そこへ、香苗が現れる。 「マナ子のことで相談があるから、家へ来て欲しい」というのだ。

コンビニのバイトを抜け出し、香苗の家に行く、堂本。 その家には、眠らされたマナ子が居た。 堂本が“香苗”と思って着いてきた人物は、西牟田だったのだ。

西牟田に、マナ子を傷付けるよう命令された堂本は、自分にカッターナイフを向けることで、マナ子を庇おうとする。 西牟田の目的が、自分にあると確信したからだ。 案の定西牟田は、2人を置いてその場を立ち去る。

堂本は眠ったままのマナ子を連れて、警察へ駆け込んだ。 西牟田のことを天願刑事に話し、逮捕してもらうよう依頼するために。 目が覚めたマナ子は、堂本の願いを叶えるため、西牟田の足取りを追う。

西牟田は、相棒の清水タマキが用意した家に居ると推理ー…現場へ急行する。 しかし、堂本たちが駆けつけたときには、既に家に火が放たれていた。

焼け跡からは、遺体が発見される。 炭化している上に、顔の皮を剥ぎ取られ、バラバラにされていることから、性別も身元もわからない。

数日後。 焼け跡にやって来た、マナ子の前に現れる、堂本。 マナ子に「付き合って欲しい」と、告白するがー…それは、堂本に変装した、西牟田だった! 瞬時に見分けたマナ子と、天願刑事によって、西牟田は逮捕される。

三ヶ月後。 西牟田逮捕の報せを天願刑事から聞いた堂本は、就職活動に勤しんでいた。 そして、ようやく内定をもらうことができる。

マナ子が心配して、様子を見に来ていたことを母親から教えられた堂本は、急いでコンビニに向かう。 店先にはマナ子が座っていて、2人は再会を喜んだ。

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堂本クンとマナ子ちゃんがしあわせになってくれたらいいな

いろんな事件が起こりますが、メインは堂本クンのお父さん・西牟田さんの事件です。 西牟田さんは3年前から、児童を誘拐しては少額の身代金を、鮮やかに奪って行くという犯行を繰り返していました。

お金が目当て…というよりも、当たり前の日々がいつまでも続くと思っている人間たちが、憎いようです。 堂本クンのセリフに

「なんでも親父は 『犯罪耽溺症』という やつらしい 良心というものを 持つことができない 可哀相な人だ…」 >引用元:マンガ『ハイリコ』第2巻 185ページより

というのがありました。 西牟田さんは西牟田さんなりに、苦しんでいたのかもしれません。

超絶記憶能力を持つマナ子ちゃんさえ、「難しい」と言わせる変装能力を持っているのに…犯罪を犯すなんて、勿体無い!! 声さえも自在に変えられるようなので…いっそ、役者さんになればよかったのに…と、思ってしまいます。

西牟田さん1人で、何役もこなせそうで怖くもありますが。 “その人になりきる力”を強く持っている、西牟田さんはスゴイなぁと、思いました。

…なんでそんな高等スキルを、犯罪なんかに使っちゃうのかなぁ…重ね重ね、勿体無く思えます。 美容師さんやメイクアーティスト、特殊メイクとか…腕を振るう場所は、西牟田さんにはいっぱいありそうなのに。

そこで“幸せだと思えない”から、病気なんでしょうか? 西牟田さんがもし出所できたとしても…“自分の後継者”として、堂本クンを諦めそうにないなぁ…ということも、ぼんやり思いました。

できれば堂本クンとマナ子ちゃんが、ずっと一緒にいてくれることを願います!

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