マンガ『トリプルKISS』全2巻ネタバレ感想

マンガ『トリプルKISS』（嶋木あこ著・小学館）を読みました。

今回は、マンガ『トリプルKISS』全2巻のネタバレ感想を書きます。結末も含みますので、苦手な方はご注意ください。

高校生の二宮雪乃（にのみやゆきの）は、幼い頃に一度だけ遊んだ男のコに恋をしていた。もう顔も思い出せない彼が、別れ際に言った「いい子にしてたら、また会える」という言葉を信じている。

ボールが木に引っかかってしまい、取れなくて困っている子どもたちを見つける、雪乃。木に登って取ってやるー…が、足を滑らせて落下。それを通りかかりの青年が、受け止める。

青年は雪乃の通う幕浜高校の、転入生だった。道に迷っているというので、雪乃は案内してあげることに。受け止めてくれたときに近くで見た、彼の顔が物凄い美形だったので、きっとすぐに人気者になると、雪乃は確信していた。

ところが、雪乃のクラスに転入して来た青年・三枝誠司（さえぐさせいじ）は、長い前髪で顔を隠している。その佇まいが不気味だと、早速女子から敬遠されているのを聞き、雪乃は誠司に髪を切るべきだと提案する。

誠司のカッコ良さを知らしめて、人気者になればいいー…そう考えたとき、雪乃は誠司を独り占めしたい衝動に駆られる。積極的に誠司についてまわり、彼の良さを知られまいと必死になる、雪乃。

そんな雪乃を、誠司は「自分と居る所為で、イジメられてないか？」と心配する。誠司の思いやりに心を打たれた雪乃は、強く誠司のことが好きだと自覚した。

だが誠司のことが好きだと、友だちに気付かれれば彼のカッコ良さが、バレてしまう。それを恐れた雪乃は、ひたすらに気持ちを隠そうとする。

ある日、誠司がクラスの男子から嫌がらせを受けていると、耳にした雪乃はクラスを飛び出した。前髪を掴まれている誠司を助けようとするが、雪乃は男子生徒に弾き飛ばされてしまう。

それを見た誠司は、雪乃を庇うため、持っていたナイフで自分の前髪を切り落とした。ちょうど見学に来た、クラスの女子たちもその現場を目撃ー…一気に誠司の美しさが知れ渡る。

そこへ誠司の主人だと名乗る、お金持ちで見目麗しい・一ノ瀬光（いちのせひかる）が現れた。両親を亡くした誠司は、光の家に引き取られそこで兄弟（主従）のように育った。一番悲しい時期を支えてくれた光に、誠司は頭が上がらないのだ。

雪乃は誠司が好きだと自覚してから、なんとか誠司の気持ちを確かめようとするが、光が邪魔をして中々話ができない。モヤモヤが募ってゆく中、光が雪乃に「10年前に出会って、一緒に遊んだ男のコは僕だ」と告げる。そして、そのときからずっと好きだったとー…。

光の話を聞いて、雪乃の心は揺れる。ずっと恋していた男のコと、再会できたのだ。

だが今は、あんなに会いたいと思っていた男のコよりも、誠司のことが好きだと痛感する、雪乃。光の告白を振り切って、誠司と付き合うこときなる。実は10年前に雪乃と遊んだのは誠司で、光は誠司が帰った後、雪乃と話をしただけだったのだ。

そのとき光は、誠司と自分をゴッチャにしている雪乃に不安を覚え、こんな条件をつけているー…「もしも、僕が邪魔しても、我儘を言っても互いを選んだら、諦める」と。光の気持ちを知った誠司は、光の前で雪乃と生きてゆくことを宣言する。

学校を卒業後、雪乃は誠司と結婚した。

誠司クンの優しくて覚悟を決めた姿がカッコイイ！

久しぶりに嶋木あこさんの作品を、読みました。『むちゃくちゃ大好き。』や『月下の君』にハマっていた頃を、思い出します。

すごく綺麗な絵を描かれるのに、ギャグの部分はそれが一気に崩されて…大きなギャップが、登場人物に親近感を覚えて、どんどん愛らしくなってゆくのです。

中でも誠司クンの優しさは、たまりません！！甘いだけじゃなくて、相手を思いやる心を持っておられて。漫画の中の登場人物ではありますが、尊敬してしまいます。

あと雪乃ちゃんLOVEなところも、ツボ」でした！！すっごい美形なのに、ただひたすらに雪乃ちゃんのコトが好きなところこか、たまりません！！

優しくて愛溢れる誠司クンに、光クンの屈折した想いが絡むと、余計に引き立つといいますか。その塩梅が、またとても綺麗で見惚れました。

ラストでは、雪乃ちゃんと誠司クンの結婚式も見られたので、大満足です！！！！