代筆屋として母親と向き合うことになる、鳩子さん
2017年5月12日(金)22時からNHKで放送された、ドラマ『ツバキ文具店~鎌倉代筆物語~』。 出演は多部未華子さん、高橋克典さん、上地雄輔さん、片瀬那奈さん、新津ちせさん、江波杏子さん、奥田瑛二さん、倍賞美津子さん。
第5話のサブタイトルは「母へ贈る文字」。
代筆屋として、母親と向き合うことになる、鳩子さん。 母親に捨てられたと思っている鳩子さんにとったら、受けたくない仕事なのでは…と思いましたが、最初から最後まで真摯に向き合っておられて、尊敬しました。
私は、男爵が鳩子さんに語っておられた"お母さん"の姿を考えると…捨てたとは少し意味合いが違うような気がして。 誤解だったらいいのにな…と。
今回はドラマ『ツバキ文具店~鎌倉代筆物語~』第5話のネタバレ感想を書きます。 苦手な方はご注意ください。
ドラマ『ツバキ文具店~鎌倉代筆物語~』第5話 母へ贈る文字のざっくりしたあらすじ
雨宮鳩子(多部未華子さん)は、祖母・カシ子(倍賞美津子さん)に、小さい頃から代筆屋の後継ぎとして、厳しく育てられた。 友人と遊ぶこともままならず、ひたすら文字を書かされる日々。
鳩子は不満を募らせ…遂に8前、家を飛び出した。 しかしカシ子の死をきっかけに、実家に戻った鳩子は、不思議な縁が繋がって、文具屋と代筆屋の仕事を継ぐことになる。
この日、代書の依頼に訪れたのは、誰もが目を奪われるほどの美人・笹原花蓮(芦名星さん)。 花蓮は義理の母・知里(阿知波悟美さん)へ、誕生日祝いのメッセージカードを贈りたいという。
自分で書くに越したことはないのだが、花蓮は文字が下手だった。 以前、知里に手紙を送った際「字が汚いのは、心が汚いからだ」と言われ、綺麗な文字を書けるようにと、通信教育まで申し込まれたほど。
それから花蓮は、必死に教材を使って勉強しているのだが、なかなか上達しない。 母親を知らずに育った花蓮は、やっと出来た母親の知里と、仲良くしたいのだが、上手くいかないと悩みを打ち明ける。
鳩子は手紙を書く前に、知里がどういう人間なのかを探ろうと思う。 すると運良く、鳩子が行きつけの店『むぎカフェ』に、知里が来ることを店主・守景蜜朗(上地雄輔さん)から聞く。
蜜朗に頼んで、知里が来店したタイミングで、呼んでもらった鳩子。 友人たちとお茶を楽しんでいた知里は、本人を前にするとキツイことを言ってしまうが、本当は花蓮と仲良くしたいと思っていることを耳にする。
なんとかすれ違っている、2人の気持ちを繋げないものかと、鳩子は悩む。 そして、花蓮ならどんな文字を書くかにこだわって、紙に向かった。 文章はできるだけ素直に、花蓮の気持ちが伝わるようにと、願いを込めて。
知里の誕生日当日。 花蓮が鳩子に代筆を頼んだのがバレてしまい、知里がツバキ文具店へやって来た。
クレームかと身を竦める鳩子に、知里は「これまで、花蓮に酷くあたってしまったことを後悔している」と、語る。 できればメッセージは、花蓮の手書きがよかったが…そう出来なくさせてしまったのも、自分なのだと。
「素直になるのは、難しい」と、知里に共感する、鳩子。 鳩子もまた、自分を捨てた母親への想いに、素直になれずにいたのだ。
そこへ、花蓮が飛び込んで来る。 知里は素直に花蓮にこれまでのことを、詫びた。 すると花蓮も、素直に自分の想いを口にできた。
赤ちゃんができたことも報告すると、知里は泣いて花蓮と共に、大喜びする。
花蓮さんの健気さに心打たれました
若い女性には見向きもしない男爵(奥田瑛二さん)まで、見惚れてしまうほどの美人・花蓮さん。 顔良し、スタイル良し、性格良しで、しかも職業は花形の客室乗務員!
どこまでも完璧な女性っているんだなー…と、ただただ見入っていたら花蓮さんが「おもじなんです」と悲しげに、一言。 「おもじ?」 初めて聞く言葉に、脳内で漢字変換ができずにいました。
「男みたいな文字?男文字?いやいや、それならそれで味があっていいのでわ?」などと思っていたら、鳩子さんが「汚文字」と。 文字が下手なことを、汚文字って言われてるんだ…と、理解しました。
知里さんに文字が汚いと責められて、さらには通信教育まで勝手に申込まれて。 私が花蓮さんだったら、テキスト破り棄ててそうな勢いです。
それを花蓮さんは健気に、何度も何度も書き直して、練習して。 すごく丁寧にテキストが埋められていることに、感動しました。 もうこの努力の跡を見ただけで、知里さんは認めてくれるんじゃないでしょうか。
きっと花蓮さんの文字は、日々上達しているんだと思います。 でも「下手だ」と自己暗示をかけてるから、余計に自分の字に自信がなくなっておられるんだと。
今回、鳩子さんを「すごいなー!」と思ったのは、文字をあえて花蓮さんの文字に近づけて、手紙を書かれたことです。 いつもは思いのままに手を運ぶと、その人の文字に近づいている鳩子さんですが、何度も花蓮さんの文字を真似て、練習して…。
出来上がったカードを見た花蓮さんの、嬉しそうな顔。 「こんな文字を書きたかったんです!」と、笑っておられたけど…「それはもう、花蓮さんの一部ですよ」と言ったら、どれだけ驚かれるだろう。
思い込みを外して文字を見たら、花蓮さんはもう自分の書きたい文字を書けてるんじゃないかなぁ。 そう思うと、ワクワクします!