絵が、可愛くて色っぽくて…たまりません!
マンガ『ドロシーはご機嫌ななめ?』(ほおのきソラ著・講談社)。 絵が、可愛くて色っぽくて…たまりませんでした!! 表紙の少女と青年を見て「一体、どうゆうお話?」と、興味を惹かれたのもあります。
歳の差カップルなのかしら?とか、いろんな妄想をしていましたら…まあ、ビックリな展開が盛り沢山でした。 読んだ分だけ面白くなって、ついつい全巻購入してしまった程です!
今回は、マンガ『ドロシーはご機嫌ななめ?』全3巻のネタバレ感想を書きます。 結末を含みますので、苦手な方はご注意ください。
マンガ『ドロシーはご機嫌ななめ?』全3巻のざっくりしたあらすじ
魔法使いが暮らす街・エメラルドシティに住む、美人でナイスバディな魔女・ドロシー。 絶大な魔力を彼女の興味は、金銀宝石・錬金術で作った魔石に向けられていた。
お金持ちは勿論。 弱い人間や、困っている人間さえ、自分の欲しい物を持っていたら、騙してでも奪ってしまう程。
やりたい放題の彼女に、師匠・北の魔法使いのラヴィが、罰を下す。 ドロシーから、財産も魔力も全て奪って、街から追放したのだ。
ラヴィの手によって僻地へ飛ばされたドロシーは、なんと身体まで縮んでいた。 彼女を見つけた青年・トラット…イケメンなのに、ちょっと残念な男…は、ドロシーを迷子の子どもだと思い、家まで連れて帰ると約束をする。
全てを奪われたドロシーだったが、偶然にも"下僕の石"という魔石だけは残っていた。 この石は、ドロシーが下僕として契約した相手の魔力を、自分の物として使うことができる。
トラットをはじめ、犬神一族のブレイブ、食欲に忠実な少女・深鳩(しんく)。 師匠への復讐を果たすべく、魔力の強そうな人間を、片っ端から下僕にしてゆくドロシー。 罰を与えられて尚、生き方を変えようとしない彼女に、ラヴィの使いという男・魔法使いのハーツが現れる。
ハーツに拘束され…絶体絶命のピンチから、彼を騙して下僕の契約を結ぶ、ドロシー。 そして罰の真の目的を、聴きだす。 "この国の第2王子を探せ―…"。
子どもの頃から身体の弱い第1王子は、現在、病気療養中。 王と第1王子の身に何かあったら、王位継承権は第2王子にうつる。 国の混乱を避けるためにも、急いで第2王子を探し出したい王政。
だが、第2王子がいなくなったのは、今から15年も前だという。 生死もわからず、顔さえわからない人間を探せというのだ。
王子探しの旅をする中、東の魔法使い・ホワイトと出会う。 かなりの実力の持ち主で、王政に関わるべき人間だが、王家との仲が悪く、田舎で暮らしている変わり者。
今は魔法のりんごの力によって、城で眠らされている。 ドロシーたちの活躍により、目を覚ましたホワイトは第2王子と名乗り、自分の領地をいいようにしていた男を退治した。
そして、その男の黒幕と対峙するため、ホワイトは1人首都へ飛ぶ。
ホワイトの後を追おうとしたドロシーだったが、ハーツがその黒幕の正体を知っていると語る。 偽の第2王子を作り上げたのも、ドロシーの命を狙うように命令したのも、ホワイトを孤立させたのもすべて、西の魔法使い。
そこへ西の魔法使いの部下・レイラが現れ、"本物の第2王子"としてトラットを連れ去ってしまう。 レイラの仕組んだ罠により、追い詰められるはドロシーたち。 自分を庇って傷つき、倒れてゆくハーツやブレイブ、深鳩を見て心の底から助けたいと思ったとき…"下僕の石"の魔法が完成する。
この国は建国以来、たった1人の王によって統治されてきた。 国民に慕われ、国外の人間たちからも支持されていた程に。 だが年月が流れ、老いと共にその命が消えようとしたとき―…彼の親友だった魔女が、王の息子に魂と記憶を移すという秘術を使って、助けた。
永い時を渡るうち、王の心は病んでいってしまう。 魔女が助けたいと思った人間は、いなくなっていたのだ。
誰も止められないままに、今も王は息子の身体を渡っている―…。 病弱な第1王子の身体が保たなくなったため、次の狙いを定めたのが第2王子のトラット。
西の魔法使いは病んだ心を持つ王を倒し、自分がトラットの身体を奪いたいとホワイトに協力を依頼する。
トラットはこの仕組みを知った母親に「あなただけでも、生き延びて」と、術をかけられ王家のことを忘れて生きていたのだ。 歪んだ状態の父に、第1王子を置いて逃げたことを責められる、トラット。
言葉を失くしているところへ、ドロシーたちが迎えにやって来る。 トラットは、迷わずドロシーの元へ戻ることを選ぶ。
一方、ホワイトは長年の"課題"だった、王との対決を済ませていた。 かろうじて残っていた、第1王子の魂を戻して去ってゆく。
ドロシーは西の魔法使いと対決し、無事に勝利を収めた。 力を使い果たしたところを助けたのは、ラヴィだったが。
闘いが終わった後も、ドロシーたちは相変わらずドタバタとにぎやかに、時を過ごしてゆくのだった。
あんなに美少女なのに守銭奴だなんて
ドロシーの守銭奴っぷりには、ただただ驚かされるばかりです。 強者も弱者も関係なく、自分の欲望の赴くままに、お金や宝石を手に入れようとするので。 …そして、大体思い通りにしてしまう。
それなのに。 なぜか憎めないのは、彼女が純粋だからかもしれません。
子どもが両親を求めるみたいな…心細くて、すぐ手に入る形があるものを求めて満足しているようにも見えます。
だから、ストレートに愛情を向けてくるトラットには、いつもの調子が出せないときもあって。 そのときの「どうしよう!?」って、複雑な表情のドロシーがまたたまらなく可愛いのです!!
強気なことを言ってみても(やってみても)、ドロシーとトラットの場合。 最終的には、トラットの勝ちな気がします。 頭良さそうですしね、トラット。
傍若無人の守銭奴だったドロシーが、ラスト。 仲間に囲まれて、人の想いとその力に気づくことができる件は、心の奥からワクワクとした感情が湧き上がってきました!
いい表情するんですよね!ドロシーがっ!!!
旅は(マンガは)終わってしまいましたが、ドロシーたちはきっと今でも物語の中で、ワイワイ賑やかに暮らしているんだろうなぁ。 そんなことを想像しやすい、結末でした!