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マンガ『キッズ・ジョーカー』全6巻のネタバレ感想-蛍と湖条の掛け合いたまらん!

個性豊かなキャラクターに惹かれて読むのが止まらなくなります

マンガキッズ・ジョーカー』(藤田麻貴著・秋田書店)。 藤田麻貴さんは、マンガ『ロマンスからはじめよう』を読んで以来、作品に惹かれています!

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キャラクターが個性豊かで、どんどん弾んでゆく掛け合いが…読んでて止まらなくなるのです。 あと、別作品のキャラクターが、ひょこっと登場したりするのも、長く読んでいると楽しみの一つ!

今作では『ロマンスからはじめよう』に登場していた、戸越が出て来ます! いい塩梅で、ほんのりとっ!! その場面は懐かしみながら、噛み締めて読みましたー!!

今回はマンガ『キッズ・ジョーカー』全6巻ネタバレ感想を書きます。 結末を含みますので、苦手な方はご注意ください。

マンガ『キッズ・ジョーカー』全6巻のざっくりしたあらすじ

女子高生・梁川蛍(やながわほたる)は、警察官になるのが夢の、正義感あふれる女のコ。 街中で出くわすチカンや恐喝、婦女暴行を見過ごせない。

老若男女問わず、悪人には正義の鉄槌を下してしまう、腕っぷしの強さも持っている。 そのため、色んな人間に恨みを買っているのだが…蛍は、それごと背負って生きているのだ。

ある日、転校生・守口(もりぐち)が絡まれている現場に遭遇。 思わず割って入ると、すかさず身のこなしが玄人な男が、止めに入った。

「何が目的?」と、警戒心丸出しで問われて頭にきた蛍は、「人助けんのに、目的もクソもあるか!」と啖呵を切って、ビンタを喰らわす。 男は突如「梶原唯(かじわらゆい)です。よろしくね」と自己紹介して、へにゃりと笑った。

急に態度を変えた唯を、不審がる蛍。 さらに追い討ちをかけるように、翌日には唯が学校の職員として、やって来る。 唯とは一体、何者なのか?!

守口の元へ脅迫状が届き、おびき出される。 蛍は、守口の後を追いかけた。

まんまと犯人に監禁された先で、守口から聞かされたのは…父親が、ある代議士の不正を明らかにするための証人だということ。 都合の悪いことをバラされては困る人間たちが、証言をさせないよう、娘の守口を狙ってきているのだ。

爆音と共に唯が現れ、蛍と守口を解放。 犯人たちは表に逃げ出したところで、待ち構えていた警察に逮捕された。

警察の人間とは思えない、法律を無視したやり方に、蛍は唯に正体を尋ねる。

唯が所属しているのは、警察組織に正式には組み込まれていない、警察をフォローするための第三機関。 通称・ジョーカー。 特殊な業務を担うため、法的な制限は少なく臨機応変に動けることが多い。

蛍は「自分にも手伝わせて欲しい!」と、ジョーカーのリーダー・氷室慎二(ひむろしんじ)に直談判する。 氷室は蛍の熱意に負け、バイトとして関わることを許す。

ジョーカーに所属しているのは、現場担当の唯と、内偵担当の桜木平杜乃(さくらぎだいらもりの)、そしてハッキングや機械担当の志貴雅史(しきまさし)。

一癖も二癖もあるメンバーに囲まれて、蛍は様々な事件に関わってゆく。

中でもある事件で知り合った、湖条組の組長・湖条圭也(こじょうけいや)には、格別に気に入られてしまう。 隙あらば「嫁に来い!」と、本気で口説かれる始末。

賑やかな日常の中、蛍はある後悔をずっと抱えている。 それは9年前…蛍が目を離したばかりに誘拐されてしまった、弟・優太(ゆうた)のこと。

行方のわからない弟を心配しつづける蛍を見て、唯はなんとか力になりたいと仕事の合間を縫って、独自に捜査を開始。 また、湖条も裏の手を使って、犯人を突き止める。

ジョーカーに自主してきた男を見た蛍は、殺意に駆られて殴りつける。 志貴や唯が止めても、言葉が耳に入らないほどに。

唯が蛍を殴って気絶させることで、その場は収まるが…蛍はジョーカーを辞めることを決意した。 犯人を前に“被害者の姉”となってしまった自分は、ここに居てはいけない…警察官にはなれないと悟ってー…。

だが蛍を心配したジョーカーの仲間や、過去に事件で関わった窃盗少年・ミケ(本名:田村実咲|たむらみさき)までやって来て、警察官になる夢を諦めるな!と、背中を押す。

さらに…唯は若い頃、救ってくれた恩人の命令で、人殺しさえも仕事にしていた。 だが仕事に失敗して、死にかけたとき偶然通りかかった…弟を自力で探そうとしていた…蛍に助けられたのだと言う。

怪我をして目が見えなかったものの、声を覚えていた唯は、再会したときすぐに蛍に気づいたのだ。

警察官への夢を、もう一度歩もうとする蛍の元へ湖条から電話が入る。 優太が、見つかったというのだ!

数年後、蛍は無事警察官になるという、夢を叶えた。

事件に関わる人たちの優しいことといったら

蛍がジョーカーに入ってから、いろんな事件に関わっていくのですがですが…そこで出会う人たちの、優しいことといったらありません。 犯罪者が多いものの、彼らの背景を知っていくと、切なく胸が苦しめられます。

ミケとか特に…まだ子どもなのに、母親からの愛を受け取れず家出し。 拾ってくれた“おっちゃん”が病気になって、生活費を稼げなくなってしまったので、彼のために盗みをしてその日暮らしをしていた…とか!

蛍と接しているときのミケは、本当に可愛くてイイ子で、悪いことするようには見えなくて。 っていうか、悪いことをしている…という自覚を、強く強く理解していら子なのです。

罪を犯さないと、生きていけない社会って、なんなんでしょう。

一方、そんな世間のルールなんて、時にはぶち破ってしまうのが、湖条。 大きな組の組長ですが…部下たちに、とても慕われています。

彼なりの“正義”に基づいて行動しているので「他のワルとは違うんですー!」と、雇って欲しいと言ってくる青年までいる始末。

彼もまた悪を悪として受け入れて、その場所での存在意義というか…生き方をキチンとしているんですよね。 そこがカッコイイ!

そんな湖条が、唯一「欲しい」と思ったのが蛍で、まあ口説く口説く! 時間もお金も厭わないくらいの、惚れっぷり!!

“清廉潔白な正義”が理想の蛍とは、水と油なので相入れることはありません。 しかし“口説く→速攻断る”の展開が、毎回面白くて読み入ってしまうのでした!!

個人的には湖条大好きなので、いつか湖条が主人公のマンガが描かれればいいのになと願います。 (もしも発売されてたら、どなたかコッソリ教えてください)

スカッとしたいときに、オススメのマンガです!!