こめなべ

マンガ・アニメ・ドラマや映画の感想&声劇台本置いてます

マンガ『幻想香人(げんそうかじん)』全2巻ネタバレ感想-事件もラブもイケメンも盛り沢山!!

ストーリー構成が、津山冬さんということで「これは面白いハズ」と、本を開きました。 表紙の美しさ同様、中の絵も素敵です!!

マンガ幻想香人げんそうかじん)』。 (ストーリー構成:津山冬、絵:唐沢千晶/白泉社

今回は、マンガ『幻想香人(げんそうかじん)』全2巻ネタバレ感想を書きます。 結末および、犯人についても触れていますので、苦手な方はご注意ください。

また、“ざっくりしたあらすじ”については、マンガを読んだ私が勝手にまとめている内容ですので、実際のものとは異なる場合があります。 何卒、ご容赦くださいませ。

◆登場人物◆
春日 偲(かすが しのぶ)…匂宮家の書生。刑事だった兄を亡くしたため、親友の香に引き取られた。男のフリをしているが、女性。

匂宮 香(におうのみや かおる)…元公家の由緒ある香道の家元。眉目秀麗で、外面がよく、女性に目がない。頭脳明晰で、会社の経営も行っている。

田辺和行(たなべ かずゆき)…高級香水を扱う、イケメン貿易商。香の会社の取引相手。

春日哲也(かすが てつや)…偲の兄で、刑事。香の親友でもある。とある事件に巻き込まれて、死亡。

マンガ『幻想香人(げんそうかじん)』全2巻のざっくりしたあらすじ

時は大正7年。 帝都・東京市にて、唯一の家族だった兄・哲也を亡くした偲は、兄の親友である、伯爵・匂宮家(におうのみやけ)に書生として、居候することになった。

当主である香は、かなりの女好きで、変わり者。 生前、哲也が妹の身を案じて、偲のことを“弟”だと言い張るほど。

そのため、偲は現在、現在男装して生活し、香から身を守るよう努めている。 一方で、 刑事だった哲也の形見の拳銃と警察手帳を手に、復讐を誓う、偲。

明らかに殺人であるにも関わらず、どこかからの圧力の所為で、警察が全く動かないからだ。 偲は哲也の警察手帳に残された事件の容疑者…香港阿片の密貿易商・田辺について、調べてゆく。

ある日。 香の知り合いに、貿易商の田辺和行(たなべかずゆき)という男がいることを知る。 香港と取引がある田辺の手は、人差し指が欠けていた。

哲也は亡くなる直前、自らの人差し指を噛みちぎっていた…その意味を理解する、偲。 哲也は、犯人の特徴を遺したのだ。

犯人が田辺だと確信した偲は、単独で田辺の屋敷に乗り込む。 ところが、まんまと騙され返り討ちにされてしまう。

そこへ、香が現れた。 頭を殴られ意識を失った偲を抱え、事件の真相を全て掴んだと、田辺に告げる。

さらに以前、贈り物として渡した香炉の中には、阿片が仕込まれていて、常用していた田辺は阿片中毒になっていた。 香は、親友の哲也を殺した田辺に、死ぬよりも辛い方法で、罪を償わせることにしたのだ。

実は偲が女であることを、香は匂いで気づいているのだが、それを悟られないよう、あの手この手で誤魔化してゆく。 偲とは今の距離感でいるのが、居心地がいいから。

しかし、いろんな事件に巻き込まれ、その危機を2人で乗り越えてゆく内に、互いに好きだという気持ちが生まれる。 途中、すれ違いながらも、想いを伝えあい、これからも末永く幸せに生きてゆこうと誓い合うのだった。

事件もラブもイケメンも盛り沢山でした!!

いやー…。 全2巻ではありますが、内容もイケメンも、盛り沢山でした!!

私はてっきり、哲也の死の真相を突き止めるのに、丸々2巻を要すると思っていたのですが。 哲也の事件に関しては、意外とサクサク片付いてしまいました。

その後もなんのかんのと、いろんな事件に巻き込まれてゆく、偲。 そんな偲を陰に日向に、フォローし護ってゆく、香。 カッコイイです!!

偲の“ただ守られている女性ではない”とこも、ツボでした。 空回りしたり、とんでもない行動に出たりするんですが、その原動力はどれも他人のため。

誰かのためにと、自分の身も顧みず突っ走っていく、偲の姿はそりゃあもう健気の極み!! 香でなくとも「誰かに傷つけられないよう、守ってあげなくては…」ってなりますよ!!

そしてまた、そんな偲を守るために、香はどんどん強くなっていく…んー…なんて素敵な関係!! かといって、香が偲を猫子かわいがりしてるのかといえば、適度に厳しい部分もあったりするんですよねー…。

あの甘辛加減が、ホント絶妙!!

絶妙といえば、偲と香の軽口の叩き合いも、テンポよくて見ものです。 この作品、現代に時代設定を置き換えたら、ドラマ化とかされそう…なんて、思いました。