美容師さんの話術に聞き惚れてしまいました
相手の嬉しかったことに共感して、喜びを褒めてさらに会話を広げてゆく。 とってつけたような言葉じゃない…わかりやすいやわらかい言葉で、寄り添うように。 声のトーンは穏やかだけど、相手の感情に合わせて少し高めにする部分もある。 そのバランスが絶妙で、会話にテンポが生まれて話が弾んでゆく―…。
私は眼鏡をとると何も見えないので、美容室に行くと大抵寝ています。 でも今日は、妙に頭が冴えて眠れなかったので、隣の席のかたの会話が耳に入ってきました。
いや…途中から、美容師さんのトーク術がすごくて、聴き入ってたんだと思います! お客様は初来店の方らしく、当然美容師さんとも初めまして。 しかし初対面とは思えないくらい、美容師さんがすごく気持ちよく話をできる雰囲気を作られる方だったんです。
どの美容師さんも、お話ししやすい空気を作ってくださるのは同じなのですが…なんだろう?その方のトークは特に「上手い!」って、思ったんですよね。
単純に声のトーンが、好みだったから耳に馴染んだのかもしれません(顔は全然見えてないので)。 低すぎず、高すぎず…とにかく、いくらでも聞いていられる声なんです。 滑舌がよかったことも、高ポイントでした!
ハキハキと言葉を話し、でもそれが押しつけがましくない。 あくまで相手の話を中心にして、会話を膨らませてゆく。
私には真似できないなー…と思いながら、聞き惚れてました。 気持ちよく話をできる雰囲気作りを、今日出会った美容師さんをお手本にいくつか考えてみます。
やっぱり大切なのは、声のトーン!!!
美容師さんの声を聴きながら、ちょっと前に新幹線で体験したことを思い出しました。 慌てて飛び乗った、新幹線。 乗り間違えたかもしれないと、車内販売の準備を終えた方に切符を見せて確認したときのこと。
これがもう少し明るい声のトーンだったら、きっと違った印象を受けていたでしょう。
美容師さんは自分の声について、よく知っておられるようでした。 明るすぎず、暗すぎず。 穏やかで、やさしい…感じがイイ…近くで喋られても、嫌な音ではないのです。
うーん。 どうやったら自分の「このくらいがちょうどいい声音」というのを、知ることができるんだろう? それを知って発声できたら、意識せずに言葉を話すだけよりも、印象が格段によくなると思いました。
相手の感情に共感できること
嬉しいことがあった…と話すお客様に、心から喜んで共感されていました。 途中から、ご自身の嬉しかった話をされているのかと勘違いするくらい、一緒に喜んでおられて。
すると、お客様は少し照れくさそうにしながらもさらに「こういうところが嬉しかった」と、話し出されるのです。 その言葉に、美容師さんはますます喜んで…あ。でも、続きを引き出そうと無理強いはしておられなかったなぁ。
あくまでもその一言に対して「すごいですね!それは、嬉しいですね!!」って、全力で喜んでおられた気がします。 嘘くさくない「すごいですね!」を、スルリと言える方だったんですよ。
接客中だと…多少、「うわー…お世辞でゆってもらってるなー」って感じるところもあるのですが、この美容師さんにはそれがありませんでした。 素直に感動されている、って感じで。
共感力っていうのでしょうか。 相手の感情に寄り添って、一緒に感じることができる力を持っておられるようでした。
共感力…これは、鍛えられるものなんだろうか? 私は中々、相手と同じテンションで何かを感じるということができないので、本当にすごいなぁと思いました。
プラスの感情を感じられることを褒めること
お客様が「嬉しい」について、どんどんお話をされると、美容師さんは次に「嬉しいを感じる力を持っておられる、お客様がスゴイ!」と、褒めてゆかれました。
私だったら、どんなに頑張っても共感する部分までで精一杯…。 ところがこの美容師さんは「嬉しいですね!よかったですね!」で、終わりにされません!! その感情を持つお客様が「スゴイ!」と語られるのです。
…いえ。実際はこんな単純な言い方ではなくて。 ゆるやかに、いろんな表現で「お客様の素晴らしさ」を伝えてゆかれました。
ボキャブラリーが豊富な人って、本当にスゴイな…と聴き入ってしまった部分です。 何度も言ってしまいますが、美容師さんの言葉には強引なところが全くなく、とても自然でした。
だからすんなり、褒め言葉も受け取れるんでしょうね。 これは、頑張ればできるとかのレベルではないかもしれません。
気持ちよく話をできる雰囲気作りのコツまとめ
1.声のトーンに気を配る
2.共感力を鍛える
3.相手の細かな部分も見つめて褒める
とはいえ、すべてを完璧にできるようになることじゃなくて、意識して雰囲気を作れればそれで充分なんじゃないかと、思いました。