こめなべ

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映画『クライシス・オブ・アメリカ』ネタバレ感想

こめなべ-20160620

映画『クライシス・オブ・アメリカ』…なんともゴッツイ映画でした

2005年に日本で公開された映画クライシス・オブ・アメリカ』。 原題は『THE MANCHURIAN CANDIDATE』。 出演はデンゼル・ワシントンメリル・ストリープ、リーブ・シュレイバー、ジェフリー・ライトキンバリー・エリス

現在(2016年6月15日から)、Huluにて配信中です。 上映時間は2時間10分となっています。

"社会派サスペンス"というキャッチフレーズにひかれて、見てみたら…なんともゴッツイ映画でした。 今回は、映画『クライシス・オブ・アメリカ』のネタバレ感想を書きます。 苦手な方は、ご注意ください。

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映画『クライシス・オブ・アメリカ』のざっくりしたあらすじ

湾岸戦争に出兵していた、ベン・マルコ少佐(デンゼル・ワシントン)は、砂漠地帯で襲撃を受け意識を失くしてしまう。 マルコの代わりに隊をまとめて、ひとりで仲間を救ったのがレイモンド・ショー(リーヴ・シュレイバー)だった。

レイモンドは英雄になり、大物上院議員である母 エレノア・ショー(メリル・ストリープ)の後ろ盾を得て、政界に乗り出す。

一方マルコは、湾岸戦争の体験をボーイスカウトたちに話して聞かせたりしていた。 ある日の講演後、1人の男がマルコを訪ねる。 それはかつての戦友・アル・メルヴィン(ジェフリー・ライト)だった。

メルヴィンは見続けている"悪夢"の話を、マルコにする。 見た内容を記したノートを見せ、マルコも同じ夢を見ているのではないか?と聞くが、マルコは相手にしない。

しかし、党の副大統領選挙でレイモンドを見る内、マルコの中である違和感が生じる。 彼の記憶と自分の記憶が、一言一句同じなのだ。 そして、意識して夢を見ると確かにメルヴィンが語った"悪夢"と似ていた。

再びメルヴィンに会おうとするが、彼は亡くなってしまう。 マルコはメルヴィンの残したノートを手に、真実を突き止めようと動き出す。

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レイモンドに会うため汽車に乗っていると、近所のスーパーのレジで働いているという、ユジェニー・ローズ(キンバリー・エリス)に出会う。 車内で幻覚に悩まされるマルコを心配したユジェニーは、彼を家に招く。

家のシャワーを借りて身体を拭いていると、自分の左肩に異物が埋め込まれているのを見つける。 ナイフで切りつけ、異物を取り出すと見たこともないマイクロチップだった。 ユジェニーに突然声を掛けられて、洗面台に落としてしまうが、マルコはレイモンドに望みを託す。

選挙中で警戒が厳しい中、どうにかレイモンドに面会をとりつけた、マルコ。 まともにとりあってもらえないとわかるや、レイモンドの肩に噛みつきチップを抜き取る。

そのチップを、昔なじみの科学者デルプ(ブルーノ・ガンツ)に解析してもらうと、人間を自由に操ることができるモノだとわかった。 自分も誰かに記憶を操作されていることを確信したマルコは、デルプに頼み込み自分にかけられた暗示を解いてもらうことに成功。

マルコは、誰かがレイモンドを操り人形にして、政治を思い通りにしようとしている…と、考える。 レイモンドと対立しているトーマス・ジョーダン議員(ジョン・ヴォイト)に、これまでの情報をすべて打ち明け、レイモンドをなんとしても副大統領にしてはいけないと進言。

しかし、ジョーダン議員が湖で事故死してしまう。 ニュースでは"事故死"として報道されても、マルコにはそれがレイモンドの犯行だということがわかる。

極秘裏に動いていたのに、どこから情報が漏れたのか? マルコは、一番近くにいたユジェニーを疑う。 ところが彼女は、FBI捜査官だった。 ユジェニーは、マルコを監視して真相を解明しようとしていたのだ。

FBIの協力を得たマルコは、改めてレイモンドと面会。 2人で話し合いをするのだが…エレノアによって、逆らえない新たな"暗示"をかけられてしまう。 それはパーティ会場で、副大統領に選ばれたレイモンドを撃つというもの。

その計画をエレノアから聞かされたレイモンドは、自分が母親の"お人形"になっていることを悟り、母を道連れにすることを選ぶ。 マルコは、レイモンド射殺後自ら命を絶つよう命令されていた。 駆けつけたユジェニーは、拳銃を持ったマルコの肩を撃って止める。

FBIによってレイモンドとエレノアの殺害は、隠蔽されマルコの身は護られる。 そして、マルコの証言によって人体実験に使われた場所を突き止め、何が行われていたのかが明らかになった。

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洗脳というものの恐ろしさがリアルでした

洗脳シーンが、エグいというか…心理的に怖かったー!! 多分「国のために頑張ってください」的な言葉で、連れて来られてるんですよ。 兵士のみなさんは。

それが頭に電流だかなんだか流されるわ、椅子に長時間(多分)座らされて、同じ言葉…レイモンドがいかに素晴らしいか…を延々言わされるわ。 挙句、その記憶が戦争体験だからでしょうか。 身体にも覚え込ませるため、逃げられない場所で恐怖を味合わせて。

仲間を殺すことまで強要する…そして、ここまでくると疑問に思わなくなっている。 「なぜ仲間を殺さなければいけないんだ?!」という感情はなく、ただ命令に従うことを優先するようになっている。

殺される方も恐怖もなく、ただ殺されていた。 苦しみは感じていたんだろうけど…なんだかすべてがおぼろげだったんだろうなぁ。

そして、これだけのことを誰がやってんだ?!と思ったら…なんと!!レイモンドの母親・エレノアで…ただ、言葉もなく驚いた。 エレノアの派閥のおエライさんが、複数人関わってはいるらしかったけど。 積極的にそれにのったのは、エレノアのほうなんだろうなぁ。

レイモンドのため…と言いつつ、叶えたいのは自分の夢だけだし。 溺愛している息子が、こうすることで自分から離れていかなくなったことに、安堵している。

……なんか、どうせ禁断の愛とかいうなら…「真っ向勝負してこんかーい!!」って、本筋とは違うところで怒りが込み上げてきました。 エレノアの欲望のために、兵士2人にジョーダン議員とその娘の命が奪われて、実験体にされた兵士たちも不自然な死を遂げています。 たまったもんじゃない。

せめても生き残ったマルコが、FBIの力でどうにか穏やかに過ごせるようになることを、祈るばかりです。

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