ドラマ『モンタージュ~三億円事件奇譚~後編』ネタバレ感想
2016年6月25日(土)と、26日(日)の2夜連続で放送された、ドラマ『モンタージュ~3億円事件奇譚~』。 原作はマンガ『モンタージュ 三億円事件奇譚』(渡辺潤著・講談/全19巻)。
メインキャストは、福士蒼汰さん、芳根京子さん、劇団ひとりさん、ムロツヨシさん、杉咲花さん、野村周平さん、門脇麦さん、香川照之さん、遠藤憲一さん、夏木マリさん、唐沢寿明さん、西田敏行さんです。
まもなく放送開始です!夜9時~の『モンタージュ~三億円事件奇譚~後編』 #fujitv https://t.co/7UK6qPzhYJ pic.twitter.com/nUW9pLed9i
— フジテレビ (@fujitv) 2016年6月26日
ドラマ『モンタージュ~三億円事件奇譚~前編』が、すごく続きの気になるところで終わったので、後編が待ち遠しくて仕方ありませんでした!! しかし、見たら見たでその大きさに、感想を持て余してしまった程です。
今回はドラマ『モンタージュ~3億円事件奇譚~後編』のネタバレ感想を書きます。 苦手な方は、ご注意ください。
ドラマ『モンタージュ~3億円事件奇譚~後編』のざっくりしたあらすじ
味方だと思っていた鈴木泰成(劇団ひとりさん)の裏切られ、3億円事件の重要証拠となる旧五百円札を奪われた、鳴海大和(福士蒼汰さん)と、幼なじみの小田切未来(芳根京子さん)。
2人は7年前に亡くなった元刑事・東海林明(香川照之さん)の遺品から出てきた写真の、ジャズバーへ向かうことにする。 その写真には若かりし頃の大和の父・鉄也(唐沢寿明さん)が写っていたのだ。
一方…鉄也も、ジャズバーを訪れる。 死んだと思われていた鉄也は、生きていたのだ。 マスターに、大和と未来に渡して欲しいと沖縄行きの切符を預けて、立ち去る鉄也。
鉄也の去った店内にやって来る、大和と未来。 マスターは鉄也が"川崎雄大(野村周平さん)"だった頃の話をする。 行き掛かりで、望月 竜(渋谷謙人さん)と響子ギブソン(ホラン千秋さん)を助けた雄大は、竜の紹介でこの店で働くようになった。
そこで雄大は井上和子(門脇麦さん)と出会い、恋に落ちる。 しかし和子は、学生運動に巻き込まれ亡くなってしまう。 落ち込む雄大を励ましたのは、軍艦島出身の幼馴染で刑事の沢田慎之助(三浦貴大さん)だった。
和子の敵をうつため、そして国を立て直すために"3億円事件"を起こそうと提案する。 3億円事件は実は警察の自作自演で、この事件をきっかけに学生たちを取り締まるのが目的だったのだ。
マスターの話を聞いた、大和と未来は"何者か"が預けて行ったという、沖縄行きの切符を受けとり店を出る。 外に出ると2人を探していた、中野夏美(杉咲花さん)と博多の刑事・水原大輔(ムロツヨシさん)に再会。 新たな手掛かりを得た。
それは慎之助が書いた、3億円事件を想定しての警備態勢…ところがこの書類が書かれたのは事件の3ヶ月前…つまり、警察はあらかじめ事件が起きることを知っていたということになる。
大和と未来はさらなる証拠を求めて、沖縄へ向かう。 そこでは響子(夏木マリさん)が、スナックを営んでいた。
響子に会い、これまでの経緯を説明する、大和。 大和が慎之助のことまで掴んでいると知ると、犯行を行ったのは自分たちだと告白する。 慎之助に言われ、雄大が実行に移すというから力を貸したこと…響子は、すべてを警察に話すと出頭するが…先回りしていた刑事・関口二郎(遠藤憲一さん)と、慎之助(西田敏行さん)によって揉み消されてしまう。
追い詰められた大和の元に、泰成から電話が入る。 「軍艦島へ来い」と。
響子の幼馴染で、3億円事件にも関わっていたハリー・スタンレー(団時朗さん)にヘリで送ってもらった、大和と未来は泰成と再会する。 軍艦島には慎之助と鉄也の姿もあった。
鉄也は3億円事件と、その事件が引き起こした沢山の事件についても語ってゆく。
まず、3億円事件。 慎之助の裏で糸を引いていたのは、公安の須黒隆(飯田基祐さん)だった。 須黒は作戦が終了すると、実行部隊の雄大と竜を殺そうとする。 命からがら逃げだした雄大と竜は、病院にも行けず…仲間の横溝保(瀬戸利樹さん)を頼る。
しかし、竜は須黒に撃たれた傷が致命傷となり、亡くなってしまう。
雄大は慎之助の、生後間もない娘を誘拐することで盗んだ3億円を手に入れる。 そして軍艦島に戻り、炭鉱で働いていたがある事故に遭い、そのとき亡くなった"鳴海鉄也"の戸籍を乗っ取った。 鳴海には生まれたばかりの男の子がいたが、育てられないと施設に預けてしまう。
慎之助は雄大から「娘は施設に預けた」と、場所を聞かされていたものの娘を迎えに行くことはせず、コインロッカーに捨てられていた男の子を育てることに…"娘だけは事件と関係ない場所で育ってほしい"という、親心だったらしい。
慎之助は娘の件で妻と離婚。 妻は男の子を引き取って育てていたが、愛情をかける訳でもなく。 彼氏がふるう暴力を見て見ぬフリだった。 ある日、男の子が激情し彼氏を殺害してしまう…まるで子どもが殺したとは思えない方法で。
それを察した慎之助は、妻から男の子を引き取って育てる…それが、関口二郎だった。
全てを明らかにしたところへ、関口が現れる。 慎之助の「全員を殺せ」という命令に背き、自分のこめかみに拳銃を当て引き金を引く。
慎之助の守りたかった娘は、鉄也が捨てた男の子と結婚し子どもを授かった…それが、未来である。
さらに、泰成は横溝保の息子だった。 保は事業に行き詰ったとき、3億円事件をネタに慎之助から金をゆすろうとした。 ところが逆に殺されてしまい、父の敵をうつため泰成は鉄也と協力して、慎之助を追い詰めたのだった。
慎之助は警察に連行され、政治生命を絶たれる。 鉄也は軍艦島に残り、この事件に関わり命を落としてしまった人、人生を狂わされてしまった人たちを弔うため、旧一万円札を火にくべてゆくのだった。
大和と未来は、手を取り合い2人で前に進んでゆくことを決意する。
関口演じる遠藤憲一さんにただただ心奪われました
大和と未来を、執拗に追いかける刑事・関口。 それは正義感からではなく、人をいたぶることに快感を覚え、自分に与えられた痛みさえ、どこか喜ぶような…滲み出る狂気が、ただただ怖かった。
自分が楽しむ為なら、人を殺すことも厭わないし…「それで刑事って、どうなんだ?!」と、見ていて腹も立ってきた。
前編のラストで大和が、尋問するために、何者かに撃たれて弱っている関口を、蹴り上げる場面があるのだけど「これまでされてきたことを思えば、蹴りたくもなるよ!」と、大和に同情してしまうくらい。
とにかく酷い人=関口。 そんな図式が頭の中にできてしまうには充分の、前編。 後編ではさらに「ちょっとゾンビっぽいっ!!」という怖さまでプラスされていて、この人はなんなんだろうと不思議で仕方なかった。
関口が言う「痛みには強いんだ」というセリフ…てっきり"刑事だから負傷はアタリマエ"ってことだと思っていたら…まさか、幼児期の虐待のことを指していたとは。 感覚がマヒするくらい、殴られて蹴られてたんだなぁ。
そしてなにより、自分が母親からも愛されていないことを感じていたんだろう。 母親の恋人を殺害した後、慎之助が現れて「それでもいい」と抱きしめてくれたとき…どんだけ嬉しかったことか…思わず「関口ーーーーーっ!!」と叫んでしまいました。
いろんなことをやってきたけど、最終的にはお父さん(慎之助)に褒めて…愛してもらいたかっただけだったんだなぁ。 愛されることはなかったけど、自分は慎之助を愛せて(という感情だったのかどうかはわからないけど)「幸せだった」と、笑って自らに引き金をひいちゃうとか…「関口ーーーーーっ!!」です←まだ叫ぶ
やるせないっていうか、なんていうか。 「もっとさぁ、どうにかなったでしょうよ?!慎之助っ!!」と、思えてしょうがない。 連れてこられた関口…いや、二郎クンの心はどうなるのよ!? なんでもっと考えてあげられなかったんだろう…。
3億円事件から派生した事件なんだとしても、私には二郎クンの事件のほうがインパクト大きくて重大でした。 前編の関口からは考えられない、過去…でした。 二郎クンの壊れてゆく過程がねー…見ていて痛くて苦しくて。
慎之助の登場で、一回救われるんだけど…その後にまた突き落とされる(心理面で)訳でしょう? 酷い仕打ちですよね。
なんかもぉ、後編はただただ「関口ーーーーーっ!!」っと、いろんな感情で叫びまくって終わった気がします。 関口二郎を演じられた遠藤憲一さんに、私の心は全部掻っ攫われてきました。