最低賃金が本当の「最低賃金」になった今
先日、最低賃金についてのニュースを読みました。
【最低賃金 過去最大28円引き上げ】https://t.co/mEqujS9jXg
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) July 14, 2021
読み終えて思ったのは「四半世紀くらい前の最低賃金は、今より低かったかもしれないけど、雇い主の方が労働者をちゃんと"人として"みてくださってたなぁ」と。
正社員とバイト、契約社員、派遣社員…etc。
いろんな雇用区分の人がいましたが、露骨なお給料の差はなかったように思います。
フルタイムで働いた場合、正社員(新入社員)と派遣社員では、派遣社員のほうが月々のお給料はいいくらいでした。
理由は、正社員と違いボーナスや手当などがないから。
その分、月々のお給料をよくして一年間でみると、同じくらいのお給料をもらうことになりました。
短期で稼ぎたい場合、進んで派遣社員になる!という人もいたくらいです。
時給がよかったんですよね…(遠い目)。
事務職でも1600円~とかでしたし。
専門職だと2000円以上は当たり前でした。
さらに企業の方が「時給UPするから、がんばって!」と、積極的に派遣会社へ働きかけてくれたいたのです。
10円づつでも時給が上がっていくのは、本当に嬉しかったし励みになりました。
通勤手当も支給されてましたし…今では絶対無理ですが、「交通機関を使って通勤していることにしていいよ!それで自転車でくればいいじゃない。そしたら少しはお財布が潤うでしょう?」と、企業の方が便宜を図ってくれたりもして。
やはりそこにはお金以上の"人と人との思いやり"が存在していた気がします。
そんな"思いやり"は消え去り。
ここ10年くらいは正社員以外の労働者って、今はなんとなく"労働力"としてしかみられていない気がしてなりません(…派遣社員歴が長かったからかもしれませんが)。
企業が利益優先になったから"人"が消えてしまった。
だから簡単に「会社の利益優先!赤字になるくらいなら、(自分以外の)人件費削減!」って言ってしまうのかなぁ。
削減されるほうの身からしてみると「人件費を削らないとならないくらいの経営状況にしている正社員の責任はないのか!」とも思うのですけど。
これは負け犬の遠吠え…なんでしょうか。
正社員と派遣社員の給料格差はなくならないかもしれない
"同一賃金"なんて言葉に、夢を見ていた時期もありました。
でも雇い主の方は、ここ四半世紀で「法律の網を潜り抜ける方法」を身に着けてしまってます。
どれだけお国の方が「抜け道をふさいでやった!」と思っても、その裏を掻くだけの知識が雇い主側にはあるんです。
見せかけだけの同一賃金とかも、出てくるんだろうなぁ。
なにより利益を出すための方法に「人件費削減(主に派遣社員)」なんて、簡単な手段を知ってしまった以上、使わなくなることはないでしょう。
「契約期間満了」という、錦の御旗もあることですし。
派遣社員や非正規雇用者を"人"として見てくださるようになると、変化が出てくるのかもしれませんが…そうなると切り捨てるときに、担当者の人が胸を痛めなきゃならなくなりますもんね。
正社員は特別。差別ではなく、区別。
そこには"人"と"労働力"という、見え方の違いがあるのだと思います。
派遣社員・非正規雇用の身としてはもやもやは残りますが、これが雇い主の方の正論。
ちょっと息苦しい。
いっそ、バブル全盛期みたいな空気を作り出せる人(現象?)が現れたら面白いのになぁ。
閉塞感をぶっ飛ばして、世界まるごと色を塗り替えちゃうくらいの!!
中二脳のわたしには、それくらいのことしか思いつかないのでした。