こめなべ

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マンガ『スリーピングビューティー』全3巻ネタバレ(犯人含む)感想

こめなべ-20160917

マンガ『スリーピングビューティー』はサスペンス中心

高校時代の記憶を失った、女性。 彼女の欠けた記憶には、ある秘密が眠っていた―…という、マンガスリーピングビューティー』(堂本奈央著・講談社)1~3巻を読みました。

ラブストーリーも含みますが、お話の大半はサスペンス。

表紙の、繊細な男性2人に惹かれました! 本編もすごく綺麗で、魅力的です。 可憐な登場人物たちの奥に漂う、ドロリとしたもの…が、読み進む度に明らかになってゆき、ドキドキ&ハラハラ。

そこには、全く予想もしていない結末が待っていて、驚きました。

今回は、マンガ『スリーピングビューティー全3巻ネタバレ感想を書きます。 犯人についても触れていますので、苦手な方はご注意ください。

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マンガ『スリーピングビューティー』全3巻のざっくりしたあらすじ

モデルの水原 雪(みずはら ゆき)は、3年前に交通事故に遭って以来、一切の記憶を失くしていた。 ある日、同じ大学の榛名舞子(はるなまいこ)に誘われ、合コンへ行くことに。

そこで出会ったのは、"キラキラ王子"と呼ばれるほどの美形・橘 裕也(たちばなゆうや)と、彼の高校時代からの友だち・加瀬永嗣(かせ えいじ)、神谷宗一郎(かみやそういちろう)、小野芳春(おのよしはる)、安住浩介(あずみこうすけ)、そして近藤啓太(こんどうけいた)だった。

慣れない飲みの席で体調を崩してしまう、雪。 彼女の異変に気付いた裕也は、そっと介抱をしてくれた。 雪は、彼の細やかな心配りに惹かれる。

舞子が啓太と付き合うようになり、自然と雪も裕也たちといる時間が増えていく。 そんなとき、あるニュースが飛び込んで来る。 3年前に行方不明になった女子高生・森エリカ(もりえりか)の所持品が発見されたというのだ。

雪は、宗一郎から裕也とエリカの関係を聞く。 2人は、恋人同士だった。 さらにエリカと一緒に行方不明になった、松嶋 咲(まつしま さき)は永嗣の彼女だということも。

永嗣が裏社会と関わったり、何人もの女性と関係を持つのは、すべて咲の情報を集めるためだった。 1人、咲が生きていると信じ、探し続ける永嗣。 そんな彼を見て、雪は裕也に惹かれながらも、永嗣のことを知りたいと強く思うようになる。

ところが、たった1人の家族である雪の兄・水原志貴(みずはら しき)は彼らと関わることを認めなかった。 事故に遭って以来、志貴の言いつけを守って来た雪だったが、裕也と永嗣に会いたいという気持ちは止められなかった。

2人と関わってゆく内に、過去の記憶がよみがえってくる、雪。 そして自分が"松嶋 咲"であることを、思い出す。 取り乱す雪に、志貴は3年前の事実を告げた。

自殺した妹を車に乗せて山道を走っていたとき、飛び出してきた咲は何者かに暴行され、首を絞めて殺されかけたことがわかった。 また、爪に入った泥の具合からすると、一度土の中に埋められていたようだ。 記憶を失くす前に咲は「友だちに殺されかけた」と、言い残す。

志貴は咲が生きていると知られれば、また命を狙われるだろうと考え、整形手術で亡くなった雪の顔へ変えた。 咲の記憶が失くなってからは、このまま雪としての人生を生きて欲しいと、志貴はひたすら彼女を守り続けてきたのだ。

自分が咲だと確信した雪は、愛しい永嗣に「自分が咲だ」と告げるが信じてもらえない。 落ち込む雪をさらにどん底へ突き落としたのは、宗一郎だった。 「咲は心変わりして、裕也を好きになった」、「愛からではなく、心変わりした咲を許せずに、今も執拗に永嗣は追いかけているのだ」と。

雪は宗一郎の「エリカと咲を殺したのは、永嗣だ」という言葉に、翻弄されていゆく。 その裏で、宗一郎は裕也と永嗣を殺す計画を立てていた。

3年前、咲とエリカを襲って殺害したのは、宗一郎、裕也、芳春、浩介の4人だった。 子どもの頃から神童と呼ばれ、容姿端麗でまさに"王子様"だった裕也。 だが、その期待に応えるため相当の努力をしていた。

高校で出会った永嗣は、なんでも要領よくこなし努力せずに人気者になっていく。 自分にはない"ミスをしても、反抗してもゆるされる空気"が羨ましくて、彼を憎むようになる。 裕也は永嗣を悲しませるために、咲を殺すことを考えたのだ。

エリカは裕也の妬みを、敏感に感じ取っていた。 自分の汚い一面に気づかれた裕也は、それを知るエリカをも殺したのだった。 「殺すべきだ」…裕也にそう言ったのは、宗一郎。

そう。 すべてを仕組んだのは、宗一郎だった。 理由は面白かったから。

いろんな期待をかけられ、努力する裕也。 他人と比べることなく、自然体の永嗣。 これは、この2人を使った"ゲーム"だと、宗一郎は雪、永嗣、志貴の前で語った。

咲を生かしたのも、すべてを知っている彼女が、いつか現れてゲームの続きを進めていくことを期待したからだ。 宗一郎の企みを聞いた裕也は、彼を刺し殺した後、自分も頸動脈を切って死亡。

雪と永嗣は事件解決後、ようやく2人で手を取り合って歩き出した。

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宗一郎さんの"面白さ"が違う方向へ向いていたら皆幸せになれたかもしれない

犯人が宗一郎さんだったとは…1巻から2巻では、予想もしていませんでした。 これまた、巻末についているオマケ漫画が、宗一郎さん主役で永嗣さんと裕也さんをやさしく見守るお話だったので…本編でも、そういう人なんだと決めてかかってたんですね。

いや。 宗一郎さんが求めるのは"永嗣さんと裕也さんが関わることによって生まれる、心の動きの面白さ"だから、見守ることで得られた面白さもあったのかもしれません。 実際、雪さんが現れるまでの3年間は"友だち"として、過ごしてこれた訳ですから。

それにしても、ここまで自在に人の心を動かせる能力を持っているなら、活きた使い方をすればいいのになぁ…宗一郎さん。 会社の社長になるとか…トップに立って、人をまとめあげるお仕事されれば、もっと"面白かった"んじゃないかと。

業績を上げるのも、楽しめそうなタイプだし。 自分の手腕で、沢山の人が幸せになってくれたなら、嬉しいと思うんだけどなぁ。 なんで、昏いほうへ昏いほうへと、進んでいっちゃうんでしょう。

特別、永嗣さんと裕也さんに恨みがある風でもなかったのに。 沢山の人を不幸にして…その上、自分まで死んでしまうなんて…ただただ悔やまれて、なりません。

せめても永嗣さんと雪さんが、これから先、幸せになってくれることを祈るばかりです。

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