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マンガ『贄姫と獣の王』第4巻のネタバレ感想-護りたい想いに涙

もっふもふな獣の王様・レオンハートのツンデレっぷりに萌え!

マンガ贄姫と獣の王』(友藤 結著・白泉社)。 恐ろしい獣の王様と、その生贄に差し出された娘が、ひょんな事から想いを通わせ、周囲の反対を押し切って結婚しようとする物語。

第1巻から第3巻を読んで、もっふもふな獣の王様・レオンハートの、ツンデレっぷりに見惚れてしまいまして! 第4巻が出るのを、心待ちにしていました!!

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>公式サイト⇒贄姫と獣の王 | 白泉社

今回は、マンガ『贄姫と獣の王』第4巻のネタバレ感想を書きます。 苦手な方はご注意ください。

マンガ『贄姫と獣の王』第4巻のざっくりしたあらすじ

魔族の王の99人目の生贄として、御前に連れて来られた、サリフィ。 人間のクセに、魔族を見ても動じないどころか、喰ってかかる性格に、興味を持った王様・レオンハート(愛称:レオン)。

冷酷非情な魔王として、恐れられていたレオンだが、実は半分人間の血を持っている。 魔族でも人間でもない、自分を厭うレオン。 誰にも言えない苦しみを抱え続けてきた姿に、サリフィはレオンの傍で彼を支えたいと想う。

サリフィの真心にうたれたレオンは、彼女を自分の妃にすると言い出し、宰相のアヌビスから猛反対を受ける。 アヌビスは、どうにかしてサリフィをレオンから離そうと、“妃になるための試練”を与えてゆく。

人間であるサリフィには、命に関わる試練が多いものの、決して諦めることなく挑戦を続ける。 真摯に試練と向き合う姿に、魔族の者たちも心を開いてゆき…気がつけば、彼女の周囲には仲間がいた。

今回アヌビスが仕掛けたのは、サリフィに“女主人(ミストレス)として、賓客を歓待せよ”というもの。 その相手は…ガロア公爵。

彼は数々の戦で武勲を上げ、海の戦では負け知らず。 情け容赦ない戦いぶりから、“海神ガロア”と呼ばれている。 他にも、恐ろしい噂は後を絶たず、さらには大の人間嫌いらしい。

友人・アミトは心配するが、サリフィはガロア公爵をちゃんともてなしたいと、やる気満々! 作法に歴史に、踊りetc…ガロア公爵がやって来るまでの10日間、サリフィはしっかり勉強した。

ところが、ガロア公爵はやって来るなりサリフィを見ると「寵姫が人間なんて、冗談じゃない!」と、まくし立てる。 場を収めようとする従者の声も、耳に入らない。

そこへレオンがやって来て、場を静める。

ガロア公爵は、難癖をつけてはサリフィに絡み「王妃になれる訳がない!」と、吐き捨てた。 しかし、サリフィは逃げることなく、どの言葉も真正面から受け取る。

嫌がらせを受けても、ものともしない。 失敗しても立ち上がり「もう一回、やらせて!」と、笑うのだ。

そして慣例に倣って、サリフィが踊りの相手をして欲しいと頼むと…ガロア公爵は「断る!」と、一言。 代わりにヤケドの跡が痛々しい、年老いた従者をあてがう。

踊りながら、サリフィが従者と話を弾ませていると、ガロア公爵が立ち上がり「人間ごときと馴れ合うとは、何事か!」と、従者を斬って捨てようとする。 サリフィはそんなガロア公爵の前に立ちはだかり「弱い者イジメはやめろ!」と、喰ってかかった。

「そんなことをしたら、王妃になれないぞ!」という、ガロア公爵の脅し文句もなんのその!

サリフィは…

「目の前で傷つけ
られているひとを
知らんぷりするのが
“王妃の器”なら

私は王妃には
なれません

お妃さまじゃ
なくても

おーさまの
助けになれる
道はあるはず
だから

私は
それを探して
みるよ」

>引用元:マンガ『贄姫と獣の王』第4巻 163~164ページより

と、言ってのけた。

逆上しサリフィに剣を振り上げる、ガロア公爵。 サリフィを助けたのは、なんと年老いた従者だった。

その瞬間ー… 今まで“ガロア公爵”と名乗っていた男がひれ伏し、年老いた従者こそが本物のガロア公爵だとわかる。

「王を欺くとは何事か!」と、息巻くアヌビスを制する、レオン。 ガロア公爵が、なぜこのような行動をとったのかを、聴く。

ガロア公爵は、先代王の時代まで、長きに渡り冷遇されてきた魚竜族の想いを語り始める。 どれだけ武勲を上げても、報われることのなかった時代。

だが、レオンが政に関わるようになって、それも聴いてもらえるようになった。 時代がよくなってきている中、変な妃を選んで国を滅ぼして欲しくなかったと言う。

そして… この計画を立て、実行に移したのは自分一人なので、他のものは罰しないでやって欲しいと願い出た。

それには、ガロア公爵のフリをしていたイスタン海軍 総隊長・ジョズも、声を上げる。 ガロア公爵がいかに魚竜族にとって、大切な存在であるか。 彼のためなら、死んでも構わないと泣く。

サリフィがレオンに、殺さずに済む方法はないかと、問いかけたところ。 レオンは、ガロア公爵に…恒久の忠誠を誓うこと、そしてこれまで通りに国を護ることを、言い渡した。

ガロア公爵は、サリフィを正室として認めることを誓った。

“守る”という言葉の意味を真に知っているサリフィは強い

戦いにおいての正義なんてものは、立ち位置によって全然変わって来るんだなぁ…と、改めて思いました。

でも、同じなのは“大切なものを守るため”って所では、ないでしょうか。 大切な人を、場所を、想いを守るために、戦う。

戦ってしまったら、“大切なものを守る”ことは、逆に難しくなってしまうにも関わらず。 どうして誰しも、戦いを選んでしまうんでしょう。

戦争…とは違いますが、サリフィも魔族の暮らす国で、レオンを守りたいと願いながら生きています。 彼女のスゴイところは、守るために戦うという方法を選ばないこと。

守るための手段として、サリフィが選ぶのは“相手を知ること”。 そして目の前の人を、先入観なしで受け入れること。

同じ土俵に立って、ちゃんと気持ちを伝え合う。 腹を割って話す…というのでしょうか?

例え解り合えなくても、話すことを諦めない。 どんどん話しかけてゆく…その勇気は、本当にカッコイイです!!

“守る”という言葉の意味を、真に理解してるんだなー…と、この巻を読んでさらに感じました。

あと、 ガロア公爵の人生が壮絶過ぎて、号泣しました。