素敵なラブストーリーが満載!!
マンガ『VS.無糖』(一井かずみ著・小学館)。 1巻完結物ですが、この本の中にはさらに『30over』、『宝物クロゼット』、『私にだって、言い分はある。』、『君がいなくなってゆく』といった作品が、収められています。
どの作品も、素敵なラブストーリーです! 主人公とパートナーとの、不器用さ具合がなんとも胸キュンで!!
一井さんは『どうせもう逃げられない』で、惚れまくってしまったので…同じ括りの物語を読めると、すごく得した感じになります!! 完結した大好きな作品を、もう一度別の角度で描いて欲しい…なんて願うのは無理ですもんね。
一井さんの描かれる、キュンさ。 本当にたまらなく好きだなぁ…と、短編を読んでも思いました!!
今回は、マンガ『VS.無糖』全1巻のネタバレ感想を書きます。 結末を含みますので、苦手な方はご注意ください。
マンガ『VS.無糖』全1巻のざっくりしたあらすじ
平凡なOL・みのりが帰宅すると、父・富雄が書き置きを残して、いなくなっていた。 混乱しているところへやって来たのは、富雄が経営する和菓子屋『雀や』の担当銀行員・白石暁。
白石は、これまで店に融資をしてきたが、次の内部審査で融資を打ち切ることになると語る。 さらに、店の経営状態が思わしくないので、返済するためには担保となっている、店舗兼住宅と土地を手放す必要がある…と。
ただでさえ富雄のことで頭がいっぱいのみのりに、一切気遣うことなくズケズケと物を言う、白石。 要件だけ伝えると、サッサと帰ってしまう。
みのりはキレて、富雄に対する昔からの憎しみを、滾らせた。 とはいえ、要領の悪い富雄は心配である。 もしや借金取りにでも、追われているのではないか?と。
しかし、そんな心配さえさせない勢いで「富雄からの連絡はないか?」と、白石から確認の電話とメールが止まらない。 さらには「『雀や』の財務状況の説明に」と、家を訪れたり…だが、みのりは白石と話をするたび、どんどん嫌いになってゆく。
これまでフタをしてきた自分の醜い感情を、こじ開けて目の前に突きつけられるから。
『雀や』を潰す決意をしたみのりに、白石は「嫌です」と返す。 富雄が戻って来ても、自分が面倒を見る!と、覚悟までして出した結論を、あっさり否定されて怒髪天を突く、みのり。
店の看板商品だった、乗用饅頭の味が落ちてきているのだ。 店を続けたくても、続くハズがない。
すると白石は、富雄がどこへ行ったか見当がついたと言う。 実は『雀や』が使う、小豆を栽培している農家の環境が変わってしまったのだ。 そのためこれまでと同じ味が、出せなくなっている。
みのりは白石と一緒に、その農家を訪れるが、富雄の姿はない。 もう二度と父親に会えないのでは…と、不安ばかりが増してゆく、みのり。
そこへ、店に戻って来たという富雄から、みのりを心配する電話が入る。 富雄は新しい乗用饅頭を作るための餡を、試行錯誤していたのだ。 各農家から仕入れた小豆を、都度混ぜて作るため、その承諾をとりつけに回っていたと言う。
富雄が作った乗用饅頭を食べ、この味なら融資を続行できると判断する、白石。 実は彼は『雀や』の、ファンだった。 乗用饅頭の味が戻ってくるまでは…と、大好物のお茶を断つ程に。
白石の意外な一面を見たみのりは、少しだけ彼に興味を惹かれる。 ところが白石は、「ずっと前から、あなたのこと好きでした」と告白して、アッサリと唇を奪っていってしまったのだ。
ケンカしながらも仲の良い夫婦になると予想!
みのり同様、白石の第一印象は最悪でした。 「いくらお金を貸している立場だからってなぁっ!!」と、震えるほどに。
無愛想だし、言葉はキツイし。 外回りしているなら、もう少し“態度”というものが、あるだろうに…と、思いました。
ところが、白石は前からみのりのことが好きで、どうやら近づく機会を伺っていた様子。 多分、この態度もみのりがどうすれば、喰ってかかってくるかを計算してのことだったんですね。
嫌われたらどうしよう?とか悩むタイプじゃなくて。 どうやって好きにさせてやろう?と、画策するタイプ。
ロックオンされたら最後、好きになって彼なしではいられなくさせられちゃうだろうなぁ。 …みのり、苦労させられそう。
とはいえ、最終的にはケンカしながらも仲の良い夫婦になってゆくんだろうなぁ…と、妄想しました。